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2007年4月 2日 (月)

アサリとサザエさん。

昨日、てめーのブログの紹介を書いてしまったので、もう一つ書きたかったけど書きそびれた話を書いてみる。先日、久し振りにアサリが食べたくなったので「安ければ買って」と同居人に頼んだ。(スーパー歩くと遠いので帰りに頼んでます(- -;))そしたら…買って来てくれた。中国産であった。中国産は、正直今公害や農薬がすごく心配なので、しばらく全く買ってなかったのだが。でも結局食べてしまった。良く考えたらこういうのは中国産より、中国経由の北朝鮮産である確率の方がすごく高いだろう、と思ったら急に安心したのだった。経済制裁とかを考えれば、北朝鮮産は避けたい気もするのだが…現実食べるとなると絶対そっちの方が良い。公害だけはほぼ無いだろうから。(海の近所に核施設があったら分からないが(^^;))中国旅行すらした事がないので、現実はどうか私は知らないのだが、今の中国は日本の高度経済成長期とほぼ同じ状況らしい。で、私の「高度経済成長時代」の主なイメージはというと、「公害」なのだ。

昔、何冊か「サザエさん」の単行本を持っていた。その中で今でも忘れられない話がある。…サザエさんとお母さんが台所に立っている。正確なセリフは忘れたが、「生のお魚」「生野菜」とか食材について会話している。お父さんが喜んでやって来る。「さんせい!夏はそういうのがサッパリしていいね」するとサザエさんと母が叫ぶ。「そういうのにストロンチウムが多いって話してたのよ!」…ストロンチウム。この4コマが掲載された時期、きっと問題になってたんだろう。でも、今私の「公害」の記憶にその名前はない。記憶にある薬物の名前は、「砒素」「水銀」「六価クロム」「カドミウム」今でも問題の「ダイオキシン」。でも、それだけでは無かったという事だな。何かと言うと三丁目のなんとか、経済成長期のいい所を思い出す時代らしいが、当時子供だった私は「いずれ公害の毒で死ぬんだろー」と思ってたし、公害(薬害)を乗り切ったとしても、そのうちどこかの国のドアホな指導者がうっかり核ミサイルのボタンを押すだろう、という不安もあったから、明るい未来なんてあると思っていなかった。(想像よりは…大分マシな未来になってるとは思う)人間の便利な文明を守る為に、どれ程「自然界にあってはならない物質」が垂れ流されたか分かったものではない。今、子供たちは虚弱になり、かつて無かった花粉症や新インフルエンザの脅威に脅かされている訳だけど、結局はこの時代の「薬害」や「自然破壊」のツケが、今ゆっくりと回って来てるのではないかと思う。手放しで成長期を懐かしむのはどうかしてる。コ○ズミの方がリーダーシップがあって良かった、というようなモノです。「格差」はその○イズミさんの置き土産なんだけどね。

(ちょっと余談。アニメのお陰で「サザエさん」はほのぼのホームドラマ、と決め付けられてるけど、長谷川町子先生の原作だと、後半はかなりエグい社会批判が多かったのよね。でも、人々はアニメのお陰で(^^)「仲良し一家の平和な物語」を強く期待したんだろう。で、長谷川先生が「出し切れない社会批判のストレス」をぶつけたのが「意地悪ばあさん」だったのではないかと。あれも青島先生のドラマで、「いたずらお婆さんで、本当はいい人」みたいなイメージになってますけど、本来はそんなもんじゃないです。長谷川先生の本領は社会批判の精神だったと私は思っている)

だというのに。日本という、色々大失敗した実例が目の前にあるというのに。これから経済発展しようという国は、やっぱり同じ過ちを犯し、この先も(しかも、日本より格段に人口も国土も大きいのだから大規模に)自然破壊を続けてしまうのかと思うと…地球の先行きがとっても不安である。レイチェル・カーソンの「沈黙の春」をもう一度みんなで読もう。そして私はというと、とっても安い「中国産ウナギの蒲焼」の前で、この先も悩んでしまうのであった。…あーしばらく食べてないから食べたい…

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コメント

長谷川町子の批判精神は、確かなものだったと思います。テレビアニメのほんわか家族だけでは偏向になります。私が覚えているのに、狸の子供が車に化けて衝突遊びをするので、母親が「高速道路が出来てから変な遊び覚えちゃって」と嘆く話がありました。こんなのはテレビのサザエさんには登場しそうもありません。

投稿: 志村建世 | 2007年4月 4日 (水) 18時00分

志村先生・
アニメというのは、時として原作を完全に無視し、製作会社のオリジナル作品にまで変えられる場合があります。漫画とは別の媒体だから、そのままだと製作上都合が合わない事もあるのでしょうが、アニメの方が一般に普及する事で「原作の、消してはならない部分」まで記憶として消されている事に改めて気付きました。少し恐いと思います。

サザエさんか、意地悪ばあさんか忘れましたが、単行本の最後に「まんが幸福論」という読み切りが載っていました。ある赤ん坊の運命が「いい神様」と「悪い神様」に翻弄されるという物語で、「この作家は本当はストーリーテラーだったんじゃないか」と思わせられました。

投稿: いくたまき | 2007年4月 4日 (水) 19時08分

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サザエさん・・小学生の頃、よく見ていました。日曜の夕方だから、サザエさんを見終わったら、また明日から学校かぁ・・って、何故か切なくなっていた記憶があります。・・子供ながらに休日大好きっ子でしたから!・・残念!!(笑)ところで、波田陽区・...... [続きを読む]

受信: 2007年4月26日 (木) 22時03分

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