SATはさっと動けない
http://newsflash.nifty.com/news/tk/tk__yomiuri_20070518it13.htm
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070518-00000135-mai-soci
立てこもり事件やっと解決。…解決と言っていいのか。無意味に犠牲者を出し、長い時間を浪費し、人質も犯人も自分で出て来ただけではないか。少なくとも特殊部隊SAT出して来て、(特殊車両も出てたらしいな)すでに人質の居ない状況でだらだらしてたのは理解できない。日本の警察は慎重だ、と言うが、こういう極限状況なのにそういう問題じゃないだろと思う。犠牲になったSAT隊員は何のために命を賭けたのか。(ものすごく運の悪い方だとは思う。防弾チョッキの首の隙間に命中するなんて、普通は有り得ない。ゴルゴが狙ったってできない。あれはライフルだけど)…知らないから邪推だが、県警の指示もおそらくはじめ「突入して解決」の方向へ向かいかけたのではないかと思う。しかし頼みのSATが撃たれてしまった。すでに犯人の子供のみならず、警官が撃たれている。しかもその警官は撃たれたまま5時間も放置されている。これ以上何かあったらどれ程警察の責任問題になるか分からない。よって「とにかく撃たずに穏便に」と完全に方向転換した。そんな所じゃないのかなと。くどいようだが、知らないので想像で書いてますからね。
SATの指揮系統ってどうなってるんだろう。行動の最終責任者は誰になるんだ?最高指揮官がもし「県警」なら、はっきり言ってどんなに訓練積んだ部隊でも役に立たないぞ。戦場に近い極限状況での判断と、一般の街中を想定した警察としての判断はまるで違う。別のものなのだ。警察の方法論で特殊状況の解決はできない。「それもこれもテッポ持ってるんだから似たようなもの」なんて考えてるんなら論外だ。もともと、特殊部隊というのはテロとか、「犯人の人権」なんて言ってられない緊急事態を解決するためのものだ。そういう状況でない限り、そもそも特殊部隊なんて出すべきではないのだ。判断は戦場の論理に従う。やらなきゃやられる。犯人は「間違えて犯罪に走った、元は善良な市民」ではない。「敵」なのである。そういう想定で動くからこそ、危険な事態を解決できるのだ。だから当然、隊員の錬度も必要だけど、それ以上に指揮を取る人間の能力が一番肝心である。無能な指揮官は戦場に立ってはならない。犠牲者を増やしたくないならそれが鉄則だ。(その鉄則を全然守らなかったから、旧日本軍はあんなだったの(^^))そういう哲学や論理、この国の人間の大半は全く理解してない。…そう、哲学。緊急事態にはそれが必要だ。ひょっとして警官や部隊までまでただの暴力だと思ってませんか?
こういう凶悪事件が増えている。何かと言うと「撃ち過ぎてアメ○カみたいになったら」「もっと銃規制すれば済むんじゃないか」なんて言う。撃ち過ぎでなかろうと、銃の数が少なかろうと、緊急事態の解決の仕方は同じじゃないか。ほんと、犠牲者を出したくなければそれなりの危機管理能力を身に付けてくれっつーの。隊員の安全のためにも、指揮に論理性のない上官を現場に出さないでやってくれ。
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コメント
警察の対応がここまで後手に回ったのは、やはりマスコミ(世間?)に対するおびえ何だと思います。今日もニュースを見ると「こんなにかかって何をやっていた!」みたいなコメントがぞろぞろ・・・・
これが逆に強行突入し、同じように犠牲者が出たり、人質が何らかの傷もしくは生命の危険にさらされていたら、きっと「なぜこんな強硬手段をとったのか?もっと違う方法があったはず」とのコメントが同じようにぞろぞろ出てくるでしょう。結局、どちらの方法でも何事もなければ何も言われない、すべて結果論で非難することが最近のマスコミの報道の仕方になっており、実はそのことが、世の中のすべての問題に大きく影響しているんだと思います。
偉げに画面の向こうから、集団暴力のように、現場の苦労も知らないで、べらべら喋っているやつらを規制できないマスコミこそが、今の荒廃した社会を作り上げているんだということが、本当の意味で認識されない限り、教育問題に絡む犯罪や、未成年の犯罪などは減るどころか、どんどん増えていくでしょう。
そんなに方法を思いついて物知り気にコメントするなら、あんたらが現場に行ってすべての問題について解決して見せろよ!
なくなった方は本当にお気の毒で、ご家族にはかける声もなく、心からお悔やみ申し上げます。また、負傷して5時間以上恐怖に耐えながら救出を待っていた警官の方も、職務を全うしようとした結果被害にあわれたことには変わりがなく、一日も早い回復をお祈りいたします。
投稿: GAKU | 2007年5月19日 (土) 12時46分
GAKU様・
私も画面の向こうでべらべら喋ってしまったクチですから、私も批判されてるのかも知れませんが。もしあれで人質が自力で脱出してなかったら、籠城はまだ続いているかも知れません。普通の街中で起きてるので、もし自分の近所だったら嫌でも「現場」の近くにに立つ事になる訳だから…あながち他人事のように考えられてるとも思えません。私にそういう能力と立場があるならもちろん現場に行きますが、ただの人が行っても害になるだけでしょう。
説得を全面に立てて解決する方針なら、そもそもSATまで呼ぶのはどうかと私は思うだけです。対テロの訓練を受けた人達なんだから、本来「そういう解決の仕方」をするのが仕事でしょう。呼んだ時点で県警が「突入」を決断したと考えるのが普通です。危険のリスクを犯しても、早期解決を選んだのだと。ところがそれが無かった。だから、これは命を落とすに値する作戦だったのかという疑問が残るのです。危険な仕事だから不測の事態は有り得るけれど、何故そうなったのか、使命を果たしたからなのか、それとも出さなくて済む被害だったのか…は、大きな問題だと私は思います。だから「気の毒」では済まない気持ちも残るのですが。
追加・危険な仕事である上に、彼らは公務員でもあります。国民にとっては二重の意味で、不必要な作戦に使われたり、害されたりされたくない存在です。いつか本当に助けてもらわねばならないかも知れないから。
投稿: いくたまき | 2007年5月19日 (土) 14時12分
説明の仕方が悪かったようで・・・
私が言いたかったのは、行った結果の内容について、揚げ足を取るようなことしかしていないマスコミの態度に、影響力が強い分、みんな萎縮させられてしまっているということなのです。
いろいろな判断の結果、最悪の事態になったとしても、仕方のない場合があると思うんです。
でも、その結果だけを見て、つっこんでくるから必要以上に慎重になって、いくたさんのように苛立ちを感じる人が出てくるということです。
私もあの場合、もっと強硬に突入したほうがよかったと思います。
でも、今のメディアの情報提供の仕方では、場合によっては「やったもの負け」のようなことになるから判断ができなかったのだと思っています。
投稿: GAKU | 2007年5月19日 (土) 20時20分
GAKU様・
ああ、私が怒られてたんでなくて良かった。(^^;)ちょっと勘違いがあったようで済みません。それならマスコミの「報道」以前に、あれだけ現場にたかっていた取材陣に、警察が圧迫された(というか意識し過ぎた)面もあるかもです。本来、危機管理の専門家でもないマスコミに作戦を評論する資格はないから、気にする必要はないと思うんですけど、その「危機管理の専門家」が指揮してたかどうか。だからこそこういう時、「危機の場合は何を目的とし、どう行動する」という強い理念と専門知識のある指揮官がいれば、テレビが何を言おうと「素人が何ぬかす」と一喝できる筈だとは思います。(…多分いないのでしょう)
本当の所、家庭内トラブルが行き過ぎたのが原因だから、SAT突入まですべきかどうか、指揮があいまいで決断が下しきれなかったのも悲劇の元凶じゃないかと。もしテロ訓練を受けた人が統制のとれた動きをしていれば、ここまで事態は悪化しなかったでしょう。それがマスコミ受けを気にしての事だったら… 論外ですね。人命の掛かる微妙な決断に「絶対の正解」はありません。それでも色々言う人間は必ずいます。指揮に確信がある本物のプロなら、気にしてはならないと思います。
投稿: いくたまき | 2007年5月19日 (土) 20時53分
日本人は特に、人の(もっと言うとマスコミの)意見が自分の意見のように思ってしまう(刷り込まれてしまう)人種だと思っています。だからこそ、マスコミの報道により、刷り込まれてしまった大多数の市民を敵に回したくないという感情が、過剰に働いてしまい、決断ができないのだと思います。また、もっと言えば、そんな状況にずっと置かれていたため、すでにその判断すらできなくなっているのかもしれません。もうひとつの要因として、やはり、平和ボケしているんだと思います。規模はぜんぜん違いますが、かなり前に、ペルー大使館が占拠されたとき、かなり早い時期に軍隊(警察だったかな?)が突入し、一挙に解決したことがありましたが、あの時、日本のマスコミ(画面を通してみていた私たちも)は、話し合いにより、もっと時間をかけるものだと勝手に思っていたため、みんなでびっくりしていたはずです。やはり、この国はもう10数年前から危機管理という言葉を置き忘れていたのかもしれません。
投稿: GAKU | 2007年5月19日 (土) 23時13分
GAKU様・
まあ今回の件に関しては「仕方が無かった」「犯人の人命も尊重せねば」なんて話をマスコミがしても、視聴者は簡単にうなづかないと思います。でも警察がそれに左右されてるならどうしたもんでしょう。私はあまりマスコミをあてにしない人間なので、そこまで自我を捨てて世間に合わせる人の気持ちは良く分かりません…
危機管理に関しては、この国は歴史的に適性がなかったと思います。災難が起きると茫然とするばかりで。そろそろ、そんな事言ってられない時代が来たようですが。
投稿: いくたまき | 2007年5月20日 (日) 00時22分
討論会、ご苦労さまでした。替え歌「近所から叫び」で見事に総括されていましたね。マスコミの対応で警察の判断が左右されるとは、あまり考えたくないところです。元々軽薄なのが身上ですから。浅間山荘事件では「一旦中断しますが、続きをお楽しみに」と言って叱られた女子アナがいたとか。ペルー大使館事件では、1ヶ月ぐらい長い時間をかけ、トンネルを掘っての突入だったと思います。あの中継も連日の人気番組でした。私は、たまたま突入をリアルタイムで見られて、ラッキーでした。ペルー事件では、犯人は投降を許されず射殺されたようですが、日本の警察は、たぶん違った対応をするでしょう。
投稿: 志村建世 | 2007年5月20日 (日) 16時37分
志村先生・
気が付いたら、随分コメント量が増えてしまってました。(^^;)今回はペルー大使館のような規模も社会性もない事件だったのに、その割に被害が大き過ぎましたね。
結局、こういう緊急事態はお上が「事前にどれだけ対応を考えてあるか」で決まるのではないでしょうか。こういう犯人なら、こういう家屋なら、人質が誰で何人ならこう動く、みたいな。そうすればマスコミが何を言おうと、動揺はしないはず。「まさかそんな事起きないだろう」で何も考えず、起きて事態が拡大してから騒ぐのは、いい加減卒業してもらいたいです。この国ですから「犯人も極力無傷で確保」とは言うでしょうけど…
投稿: いくたまき | 2007年5月20日 (日) 20時27分