« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »

2007年10月31日 (水)

琥珀色のオトコの夢

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071030-00000010-giz-ent

ちょっとだけ。記事に随分ブログ付いてますけど、何故「そこでモスピーダ出してくるか!記事書いたのは誰だ」と突っ込む人がいないのだろう。モスピーダはバイクが変形するのだ。ちなみに私は見てませんでした。(^^;)でも同居人やまくんがオモチャ持ってました。ちゃんと変形するやつ。私はとうとう変形させ方が分からず、いじってるうちに壊してしもた。(ごめん<(_ _;)>)…学研がスポンサーという、世にも珍しいアニメ。壊さず持ってたら値が付いただろうに。(ほんとか)ただ、そのアニメには嘘があって、宇宙戦闘機とバイクが同スピードで走るのだという。

メガゾーン23というのもやはり私は知らんが、バイク変形らしい。やまくんに聞いた所、「デザインに嘘があったので変形させられず、オモチャが出なかった作品」だそうだ。でも、完全変形ゲッターまで出してしまう昨今の超技術で、ついに完全変形版も出たという。…そこまでするなら是非、完全4パターン変形フレンダー出して欲しいものです。私的には。(^^)…という訳で、この記事をざっと読んだ普通の人は、モスピーダもメガゾーンも「ガンダムみたいなロボットアニメ?」としか思わず、記事の真意が伝わらないのではないかと、ついいらんブログ書きました。軍用バイクで走ってる兵が突然、パワードスーツ姿に変身するイメージなんだろうね。メカは出来ても、それを使える人間がどのくらい育成できるかに問題がありそう。戦闘中に海が見えたり、心があちらの世界に行ってしまう兵士が多発したらどうするのだろう。(^^)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月27日 (土)

それは異様な朝だった。

なんかさ。誰も異様だとは思わないのかな。…カメ一家長男会見の日、朝テレビを付けたらT○S以外民放全部がリアルタイム中継。言っちゃあ何ですがスポーツ、しかも周辺関連ニュースですよ。その前も後も、ワイドショーは長時間を割いてこの問題について討論、討論。この国の人間、大半カメダ一家が大好きなんだな。私にはそうとしか思えない。スポーツで反則したり、常識の無さすぎる行動取ったり、あるいは選手の強さを誤解させる情報を流したりするのは一般から批判されても仕方ないだろうが、何故赤の他人の家庭の家族関係や教育方針まで、日本全国が寄ってたかって指導せねばならんの。というか、何で無関係な人間達にそこまでやる権利があんの。まるで、にわかに日本中がカメダ一家に対する「逆モンスターペアレント」になったみたいな。

今は、たとえばこのブログだってそうだけど、どこの誰でもネットさえ契約してれば、ご簡単にどんな情報でも発信できる。(カス情報でもね)匿名やハンドルネームなら、記事内容が酷かろうが、もしくはゲロッと意見を変えて手のひらを返していようが、書いた本人に追求や非難の手は及ばない。言いたい放題責任感なし。ニュース関連のブログも、フリンとか、問題になった人物が反論できないような批判しやすいニュースだとあっっ!という間に40件以上つく。非難も増える。ところがチャンピオンがカメダを庇ったとか(^^)、攻撃性のないニュースだと関連ブログ数もガクッと落ちるのな。ニュースがすたれて盛り下がってくると、今度は中身の無い、記事のコピペやエロサイト広告のブログばかりが付く。分かり易過ぎてうんざりしますが、要はストレス解消の弱い立場いじめ、もしくは話題性に乗っかった利用。…ばかりではないが、ネットにはそういうのが非常に多いという話。なのに「ネットで騒いでる」と言うと、今はマスコミから政治家から教育関係者からスポーツ関係者まで、実に深刻に気にしますから。「自分達がネットでテキトーな意見を書けば、偉い有名人だって思い通りに操れるゲヘヘ」と思い嘲笑ってる連中がいっぱいかと思うと… ほんと、これが民主主義の弊害かなと…

意見は意見。別にどんな意見だって有り得る。でも、意見てのは「コレはこうすべきだ!」と他人に強制するもんじゃない。それに付随する社会的責任を負ってないなら強制する権利もない。なのに最近はなんか、モンスターペアレントとか(今日テレビでやってたもんで)責任感もないのに過度に自分に「権利がある」と思い込んでる人種が多いのが私は嫌だ。ナメるな。自惚れるな。権利ってのは法で作ったものだ。だから、ルールも良識もない無法な人間に「権利」を主張する権利はないんだ。そして、そんな風に無法だったカメダ一家を批判してる人間の中に、もっと無法な人間がいたらお笑い種じゃない。私は、これ以上事件をどうこう言う程ボクシング界を知ってる訳じゃないので、もういいと思った。知ったかぶりな意見を言うのも分を過ぎてると思うし。でも、今のマスコミに、もしくは一般に「分を知る」「分を過ぎる」という言葉の意味を知ってる人間は何人いるのかなー。「今が何分か知る」「時間を過ぎる」という意味?とか言われそう。

マスコミが朝っぱらからあれだけ報道して、「日本中が注目してる!」と叫んだら、私まで注目せにゃならんの?と思うじゃない。アメリカの山火事とか、C型肝炎の問題とか守○とか、あるいはイランの経済制裁とか、気になる事いっぱいあったのに。カメダ中継の最中には、もし仮にどこかで戦争が勃発してても後回しにされたかも、と思うと何だかげんなりする。大体今、スポーツで一番凄いのはダルビッシュだぞ。(- -)マツザカでもオカジマでもカメダでもない。それだけは確かだ。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年10月25日 (木)

これが最後の暗黒ではない

あまりに深刻な問題なので、安易なブログ記事は書くべきじゃないのだが。今起きている「厚生省―厚生労働省のC型肝炎者の資料隠蔽」、そもそも当時の責任者は誰なのかと思って調べてみた。おそらく1989年8月からの海部内閣である。(その前の宇野内閣は2ヶ月しかもってない。(^^)しかも辞任の理由は「指3本問題」とかいう、芸者がどーしたというような話)海部内閣は割とクリーンなイメージだったが、政治は完全な官僚主導で大臣は「別に誰でもいい」という政治に責任感のない時代だった。第一次海部内閣の厚生大臣が戸井田三郎氏、第二次が津島雄二氏、改造内閣が下条進一郎氏。…だそうだ。誰だかイメージ沸きます? 私は全然。取り合えず、詳しい資料を発見したので見て頂きたい。ただし文章は結構過激で、主記事はHIV関連である。

(追記・様々なご意見があるようなので、リンクは削除させて頂きました。)

このページによると、肝炎対策チームの津島氏は「課題はエイズで肝炎は重要でなかった」とし、患者への告知もやる気がないような発言をしている。津島氏って、いわゆる「津島派」の頭領じゃないの。中島という人物も恐ろしい事を言ってるが、この人には「医事課長」「健康局長」という肩書きがある。ともあれ、ミドリ十字の創設者が、恐怖の「731部隊」部長の片腕だった事は有名な話で、戦後日本の医療関係のトップに巨大な暗黒が渦巻き続けていた事は間違いない。731の残党は、終戦直後アメリカとの密約で全員(だったと思う)戦犯のリストから外され、医学会の権威として君臨する。(詳細は資料参照)当然、政治家や官僚達は歯牙にも掛けず、逆に影から動かしていたのだろう。報道特集で見たんだが、当時のアメリカは731の「人体実験の資料」を非常に欲しがっていた。だから彼らを守ったのだ。そりゃ、「民主国家」で自国の国民を犠牲にしてまで人体実験はできないからな。この国の医療は、背後に寒気のするような闇と隠蔽が巣食っている。しかも戦後ずっと。こういう問題が表沙汰にされ、国民の多くが関心を抱くようになったのはごく最近の事に過ぎないのだ。

(追記・ミドリ十字と現在までの薬害肝炎については、ウィキペディアに詳しい記述があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%96%AC%E5%AE%B3%E8%82%9D%E7%82%8E

今は、野党が与党を追い詰め、政権を握ろうとしている時代だ。今までこんな時代はなかった。野党は常に文句を垂れ、審議を引き伸ばすだけの存在に過ぎなかった。だから、以前はこの国に根の深い、深刻な問題がある事に気付いていても、ここまで掘り返して追求する力もなかったのだろう。だから、あるいは今がチャンスかも知れない。与党と野党の真剣な緊張関係が生じてる今だからこそ、手の付けられなかった暗黒にも初めて解決のメスが入れられるし、与党も真剣に対応せざるを得ない。最低限放置はできない。やはり何事にも危機感や緊張感は必要だな。戦後誰も触れなかった「官僚体制」にひびを入れられるのは、本当に今しかないかも。そう思うと、国民も誰が政治家かも分からず、「政治にはキョーミない」と答えるのがカッコいいかのように思われていた時代って本当に恐いな。政治はキョーミで知るもんじゃないんだけど、確かにどうしてもキョーミ持てない、と言うか顔も見たくない政治家ばかりの時代って随分長かったように思う。

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2007年10月19日 (金)

砂糖星人の陰謀

伊勢の名物が営業禁止になった。不二家問題が起き、白い恋人問題が起き、赤福問題が起きて私が考えたのは…「甘過ぎるお菓子は怪しい!」とゆー事だ。砂糖を大量に使う程日持ちするものな。必ずしもそうとは限らないかも知れないが、これらのお菓子、実はどれも私が一度食べて「あ…甘過ぎ!とても食えない!」と投げ出したものばかりなのだ。まあ白い恋人も赤福も、お土産のおすそ分けをもらっただけで、自分で買った訳ではないのだが。一度食べて以来、どれも二度と手を出そうとは思わなかった。

不二家の記憶はアップルパイだ。食べたのはまだ学生の頃かな。なんで食べる事になったのかは忘れたが、おごってもらって買ったのかも知れない。私はアップルパイが大好き。切る時当然、「パリッとした皮にりんごの甘煮がたっぷり詰まってる」のを期待した。…が、皮の中には何故か固めの「ケーキ」のような物が詰まっていた。そのケーキの中に所々りんごらしき物体。ひたすら嫌に甘いだけで、りんごの味なんて全く分からない。「なんだこれ サギじゃん!」と私は怒り、それ以来二度と不二家は食うまいと思った。それから長い年月が経ってあの騒ぎ。今にして思えばあれは、パイ皮の中に古くなったケーキとりんごを詰めて再生したものだったのでは…と疑っている。全くの誤解かも知れないけど。

白い恋人はやや最近。お土産のを幾つか分けてもらった。おおこれが北海道名物か…と期待して食べたらやっぱり甘さが凄かった。何とかチョコレート部分をのけられないかと思ったが、チョコのけたらクッキーも破壊されるし。お土産だから「こんなに甘くては」とは言えず、これはオイシイノダの無理に思い込んで食った。赤福食べたのも結構最近。お土産の箱の中のをひとつだけ味見したら(^^;)…みなさんよく食べられるな、こんなの… 転げ回りたくなるくらい甘い。中心部の餅に辿り着くまで、あんこ、ひたすらあんこ。他の成分は入っておらず、何の救いもない。思うに、私と同じく「ちょっと甘いと思うけど、せっかくお土産に貰ったんだから美味しいに違いない」という思い込みで食べていた人も結構いるのではないのか。でも、「赤福好きだったのに」という声も多いらしいから、世間の味覚は私よりずっと甘い物好きなのかも知れない。私がちょうど良いと思うあんこの甘さは「あずきアイス」くらいである。それ以上に甘かったら、あずき食ってるのか砂糖の固まり食ってるのか分からないと思うんだけどな。

赤福は「作りたて」を売りにしてたそうだから、信頼を裏切った罪は大きいだろう。まして古いあんこを転売するなんて… ちょっと想像がつかない悪質さだ。不二家なんかより再生の道は厳しいと思う。ただ、お土産なんて大体、観光客が少ない時は長い事棚の上で晒されている可哀そうな商品なんだよね。今でこそ消費者が新鮮さを求め、食品基準や賞味期限を気にするけど、昔であればあるほど、地方の「おみやげ」は長い間棚の上で埃をかぶっていたし、「名物にうまいものなし」とか言って、世間もそれ程質になんかこだわってなかった気がする。老舗でこういう事件が発覚するのは、そういう所ほど昔の体質がそのまま残っていて、新時代に合わせた企業努力をして来なかった証拠なのだろう。そりゃそうだ。何か新製品を開発する訳でなし、だから作り方を変える訳でなし、それでも確実に一定数は売れるから危機感もなし。何も変わらない商売、というのは、ある意味「官僚の腐敗」と全く同じ道に堕ちて行く。人間も企業も、常に新しい物を目指して改革したり、このままでは潰れる、という危機感を持って必死に頑張るという面がないと、現状維持どころか「ダメ」になっていくものなのね。

ともあれ(^^)甘過ぎるものには気を付けよう。うちのご亭主やまくんは甘いものが全くダメだ。だからうちでお菓子を作る時は、レシピより砂糖を10~20gは減らす。彼は市販のアンコなんか食べたら、赤福でなくても転げ回って苦しみ、「これは人類をみんな糖尿病にしようとする、砂糖星人の陰謀だ!」と叫ぶ。そんなオーバーな、と思っていた。が、ある時、お茶請けに貰ったあんこ菓子を1~2ヶ月くらい鞄の中に忘れていて、ふと思い出して包装紙を剥いて食べたら…どこも味は変ではなく、普通に食べられたのだ… その時私はなんか「本当に恐い」と思った。

| | コメント (2) | トラックバック (2)

2007年10月16日 (火)

誰が亀を作ったのか

そういや何か用事していて、ちゃんと見てなかったの。カメダ戦。のー出血で療養中の亭主、やまくんが問題の12Rを見てたのと、ニュース映像で見た分しか知りませんけどね。何があったか知って驚いた。試合の日も驚いたが、翌日のJBCの処分の日はもっと驚いた。報道が会見をリアルアイムで中継しようと追いかけ、ニュース速報まで出るんだもんなー。スポーツ関係でこういう報道の仕方って今まであったっけ。

やまくんは今、血圧を上げてはいけないのである。なのにカメダ問題ではすぐ怒りまくりそうになるので(^^)、横で沈静化させるのが大変だ。(大相撲問題でも血圧上げてるけどね)そういう私は、以前の「疑惑の判定」の時からあの一家を「不快な連中だな」と思ってた。HPの替え歌でもネタに使った。しかし、世間の大勢が同じように批判的かというと…かばう声も多かったようなので、この問題はその後あまり関わらない事にしてたのだ。変なのに絡まれたくなかったしな。でもこういう結果になったので、よーやっと安心して意見を書ける。(^^)(^^)カメダ一家って、ボクシングどうこう以前に人間としての常識を何も勉強してない感じである。無論保護者からして。かと言ってヤ○ザで身を立てられる程強くも無さそう。もうボクシングなんてしなくていいいから、普通に勉強して働いて、人間としての躾を受けて、ファイトマネーとは桁違いの安いお給料貰って真面目に暮らしたらどう。柄が悪い以外特に目立つ能力もないのだったら、テレビにも二度と出なくていい。と言うより、何が悪いってやはり今まで持ち上げたり不品行を許してきたマスコミや協会が一番悪い。

特にサンジャポのベタベタな応援の仕方はほんとーに嫌でね。処分が決定した時、一番に考えたのは「さあこれでサンジャポはどう出るのか」だったんだけど… ご存知のように見事な手のひら返しだった。「サンジャポはずっとカメダ一家を応援します」とか言ってたんじゃないのう。今までの流れに則って無理矢理かばおうとしたタカハシさんは的外れで逆に不快感を煽るし。でも、だからってケロッとカメダ批判に転向した他の人達をそれで免罪符、とも思わない。カメダが謝罪してないと言うけど、マスコミだって謝罪してない。訳知り顔でカメダは強いかのような解説を捏造していたコメンテーター達も謝罪してない。カメダ謝れという前に、あんた達謝りなさいよ。私も格闘技詳しくないから、やまくんの解説の受け売りですけど、(やまくんは昔から格闘技マニア)今まで聞いた事もない海外のボクサーを連れて来て、しかも怪しい判定で勝ち数を稼いで、国内の実力者とやってない。やったら勝てないだろうと言われてた通りになっただけじゃないですか。元々反則しないと手が無くなるくらい弱かったんだろう。今さら思い出したように正論こくなんて何なんだ。

どっかの女王様問題とか、力士急死問題とか、色々訳の分からない事件が起きてます。倫理観ってもんがなくなってるんだね。倫理、ルール、正義。そいういうのは一個人や家族、どっかの協会、事務所、もしくはマスコミが勝手に作っていいもんではない。無論ネットの意見が多ければそれが正義になる訳でもない。そういうのは元々公平で普遍的なものが存在するんだ、と私は思う。ただし生きた人間がそれを実践しない限り、正義はこの世に存在できない、のよね。人に正義感を求めるなら、求めた側もちゃんと正直に正義に従って下さい。(- -)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月10日 (水)

亭主の倒れた日

私の亭主、「やまくん」が脳出血で突然入院した。その後出血は治まったようで、どうにか3日目に退院したもの、医者から1ヶ月の自宅療養を命じられた。一歩間違えば本当に危ない箇所の出血なのだが、幸いにもマヒや障害は出ていないようだ。ただ頭痛が酷く、ろくに活動できない。医者は1~2週間痛み止めを飲んで安静にしてるしかないと言う。じっとしてるのが苦手な男なのに、可哀そうにしばらく家にいる。本宅HP「生玉荘」の日記に顛末は少し書いておいたが、こちらでもまとめておく。

「やまくん」が頭痛がすると言い出したのは、入院の3日前くらいだった。いつもと違ってなかなか治まらないし、本当に痛そうなので医者に行けば、とは言ってたのだが… 本当の所、私も歯周病やひどいコリの激痛と闘っている最中だったので、面倒も見切れなかったし、コリやストレスが原因だろうと思っていた。それでも土曜はどうしても休めないからと出勤した。日曜日、やはり出掛けねばならない用事があったので車を出してもらったが、もう限界という感じだったので必ず医者に行くように言い、私は途中から別の人の車で送ってもらった。そんな人間に運転させて冷たいと思わないで欲しい。免許がないので、この人がいないと僻地の私は身動きが取れないのだ。で、その後病院から私の携帯に電話が掛かった。脳出血で緊急入院したから病院へ来いと言う。うちからもかなり遠方の大病院である。送ってくれた人にまた苦労を掛け、車で駆けつけた。出先で、車を持ってる人が周囲にいなければ私もパニックに陥ったかも知れない。どうにか再会した時、やまくんはベッドで笑っていたが、後で聞いたら最高血圧が240近くあったという。私はちょうど低血圧で苦しみ、なんとか血を増やそう、血行を良くしようとあがいている時だった。高血圧の事情なんて全く分かってなかった。

やまくんは最初、近所の割と大きな病院に行ったのだが、CTスキャナがないという理由で別の病院に行くように言われた。ところが行った病院には脳外科がなかった。更に遠い総合病院に行くよう指示された。もちろん本人の運転で。行った先の大病院は2時間待ちだった。待って、やっと診察を受けた時、医者は「痛み止めでも出しましょう」「念のためCTも取っときましょーね」という軽いノリだったという。しかしCTの映像が上がった時周囲が妙に慌てだし、突然ストレッチャーに乗せられてガラガラ運ばれたのだという。そしてやっと医者から「脳出血」を教えられ、入院となった。それまでの扱いとのこの落差。つまり、脳出血が判明してるのに放置してもしもの事があったら病院の責任問題になるので、どうしても2~3日の検査入院をして欲しかったらしい。(憶測ではない。医者がそう言ったそーだ) それでもベッドも手も足りないから、退院は早めにして欲しい。これが現在の医療の現実なんだな。結構大きな病院でも、あった筈なのに気が付けばCTスキャナがない。何故なら医師不足でスキャナの技師がもういない。または、あった筈の科が無くなっている。近辺の大病院の状況は、普段からちゃんと調べておかないと駄目だね。この入院した大病院でも、歯口科や耳鼻咽喉科は休業していた。そういう患者は地元の病院に行って少ないからなんだろう。

私の自宅から駅までは歩いて小一時間(もっとか?)、タクシー呼んだら往復料金取られるので、2日は根性で歩いた。私のような免許のない人間は鉄道だってそうは使えない。で、病院のある駅から病院へのバスは、1時間に1本くらい。その上休日は半日運休。こちらは近かったのでタクシー使ったが、入院が数日で済まなければ歩く事にしただろう。いざという時足のない人間は、自分や家族が病気になったらどんな目に合うか良く分かった。医学は日夜進歩していると思うのに、庶民が充分な医療を受けられる環境はどんどん無くなりつつある。年金やテロ特措法も大切だろうけど、やっぱり政治家は命に関わる医療を最優先に考えるべきだと、今更ながらに思った。医者志望の学生は、成績が中の上くらいならみんな学費半額免除にするとかさ。最近は有名人の病気のニュースを聞くと、可哀そうというより「あ、でもこの人達はいい医者に充分な治療を受けられるんだろう」とか思っちゃうもんなあ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年10月 6日 (土)

バブル期のワーキングプア

なんか、「ワーキングプア」とか「ネットカフェ難民」とかが社会問題になっているようである。今の私は千葉の田舎に住んでいるので、実態はよく知らないのだが。そんなにビンボーなのか? ちらっとTVで見た限りでは、安い部屋くらい借りられそうな収入はあるようなのに。…私は昭和末期、高田馬場の下宿にいた。その下宿は光熱費別で家賃2万だった。だから暮らせたのだ。すげー頑張って漫画描いてたけど、バブル絶頂期に立派なワーキングプアだった。今からするのはその頃の話である。現代の話ではないぞ。

私の原稿料は一枚5~6千円、カラーだと1万円だった。でも、滅多にカラーページなどもらえない。私のジャンルじゃなかったが、少女漫画なんかだと作家は使い捨て状態で、原稿1枚3千円という話も聞いた。漫画描きなんて何の保証もない仕事だから、運良く単行本出してもらって少しは余裕が出ても、恐くて無駄金は使えなかった。無論単行本など出してもらえない作家の方が多い。出てもメジャーでないと印税20万くらい。もーけるというような額じゃない。世間の人は「漫画って当たるとデカイのよね」という夢しか見えないようだが、当たらない人間が9割以上なのだ。

世間の人は良く知らないだろうが、漫画家と編集者の間には通常ちゃんとした契約関係はない。単に「編集の気分で」作家を使うか切るか決められてしまうのである。作家と契約を結ぶ出版社もあるが、そういう所で描くと一切他社の仕事はできないし、編集の言いなりに描かされる。よしんば人気が出て自由に描ける立場になっても、それはそれで、もう作者が描きたくないのに人気がある限りほぼ強制労働で続けさせられたり、大変らしい。(私はそういう仕事はしなかったので良く分からん(^^))…つまり。漫画描き(と、後述するアニメーター)は人類最悪の労働条件下にいたのだ。(一応過去形にしておく)雇用条件は「気分」。報酬は「相場」。人気があると無理矢理働かされ、ないとゴミのように捨てられる。病気したって誰も助けない。切られたって無論退職金も出ない。それでも、本や出版社自体が存続していれば怒りの矛先も持てるが、小さい出版社だと突然廃刊する。会社が潰れる。原稿持って夜逃げする。一度、割と大手の某徳○書店でこの騒ぎがあった。単に「漫画はもーからない」という理由で突然会社が方向転換し、雑誌が廃刊して消滅したのだ。描いてた作家たちはそのまま放り出された。つまり、別に落ち度もないのに突然全員解雇されたようなもの。連載中の物語もぶった切り。出版社は読者にも作家にも責任なんて一切取らなかった。なのに社会的制裁とやらを受ける訳でもない。

アニメーターはもっと悲惨だったらしい。当時は鉛筆描きの動画、一枚百円。原画でも3百円。アニメ会社自体の給料は雀の涙で、アニメーターは食って行きたければ「腕が壊れるまで描いて描いて描きまくる!」しかなかったようだ。とある知り合いの同級生、アニメが好きで上京しアニメーターになったものの生活が厳しく、結局、結婚を控えて転職せざるを得なかった。最近、日本のアニメがすごい!とか言うのは、実は中国や韓国に外注し、人件費を安く制作できるようになったせいである。それ以外の理由ではないと思う。(その分海賊版も盗られれまくり(^^))報道番組で「最近海外の人が多く、日本の若者のアニメーターが減ってるのは残念ですねー。志して欲しいですね」なんて訳の分からない事言ってましたが、ほんと世間って何も知らない。

だから…「お金がなくても、ネイルアートだけはしっかり付けてるネットカフェ難民」の気持ちなんて、悪いけど私には分からないのだ。下宿の片隅、金が無い時はコンビニでおにぎりとアサリ缶を買い、「今日もごはんが食べられます。ありがとう」と手を合わせて食べてた私には。ワーキングプアは政治の力で解決しなければならない、なんて言ってるが、その恩恵は多分、売れない作家やアニメーターの下にもたらされる事はないだろう。たとえアソウタロウさんが漫画文化を奨励してくれても、もーけるのは版権握ってる出版社や広告業界だけだ。どっかの軍事政権に経済援助するのと変わらない。末端にまで届きはしない。(^^)私が、世の中の悪さを政治のせいにするのが嫌いな理由はここにある。企業や業界の悪い体質を作ってきたのは民間の人間だ。それも、トップでも末端でもなく、中間職で「上から来たストレスを下になすり付ける」ような輩だ、という事を私は知ってるので。

| | コメント (2) | トラックバック (4)

« 2007年9月 | トップページ | 2007年11月 »