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2007年11月22日 (木)

女が描く戦争。

N○Kのクローズアップ現代を見て、「猿橋勝子」という女性科学者の事を初めて知った。不勉強にして知らなかった。…というより、こんなに偉大な人なのに、死去されるまで巷間で名前を聞いた事さえなかった。だから日本の教育もマスコミも信用できないんだよな私は。ビキニ事件の放射能汚染の酷さを驚異的な正確さで分析したにも関わらず、日本の男学者たちに「女に分析資料は任せられない」なんてひどい事言われ、核実験が安全だと主張していたアメリカには弾圧され… しかしアメリカの学者との分析競争で勝って、見事に科学者としての能力の高さを証明し、女性科学者を励ます「猿橋賞」を創設したそうだ。なんて偉い人だろう。ちゃんと伝記でも読んで、これからは尊敬する人はと聞かれたら「猿橋勝子」と答えようかと安直に思った。

この方は核実験の縮小、つまり平和に大きく貢献したのである。それに引き換え私はちっとも偉くない。今描いてる作品は戦争物。…正確には内乱だが。これ以外に今描きたいのもやっぱり戦争物だ。女性は平和のための力、という考え方には真っ向対立してる気がする。でも本当はそうではない。「女の描く戦争物なんて」と小馬鹿にするむさい連中に、生活という「現場」を背負った戦場、というのを描いて見せたいという気持ちがあるんだと思う。だからって、科学という男社会で「女の科学者なんて」と偏見を受けた人と同様に考えたら不遜すぎるけど。(大体私は社会的実績なんてないし)

ところで、最近のアニメの戦場は女だらけのようである。(ちゃんとは見てません)下手すると女しかいない。でもそれはやっぱり男の願望で作られた夢の世界だ。何故なら美少女、美女ばかりでオバサンがいない。血みどろの訓練もしてないのに「ちょー能力」で妙に強かったりする。何より、女だらけの世界には必ずある「女性特有の現実主義」が全くないと思う。だから私は何の説得力も感じない。そして、悪い事に最近は当の女性がその「男の夢」に合わせて自分を作っている気がするのだ。だからアニメの戦場はどんどん現実から乖離し、本来戦場物で描かれるべき教訓や、戦う事それ自体の残酷さが欠け落ちている。目をそらす。もはや「娯楽としての戦争」でしかない。まあ、現実持ち出すよりアニメ美少女になりきってる方が楽だし気持ちいいだろうけど。

戦争の残酷さをいくら訴えたって、戦争はきっと消滅しない。国家のために戦う戦争は絶対嫌だが、今敵が襲い掛かってきたら、何の能もない私だって自己防衛くらいは(可能なら)してしまうだろう。「そういう現場」に立たされた「現実の人間」はどう行動するのか。それを正面から(マンガなので全部リアルにはできないが)考えてみたいだけだ。戦ってる最中だって人間は腹が減る。排泄もする。暑くても寒くても病気になる。病気や怪我は治療せねばならない。赤ちゃんにはミルクが必要。女性には生理もあるぞ。そういう、人間としての生きる事情を無視したから、旧日本軍はあれほど残酷で無意味だった。そして兵士の命を大事にした米軍は大勝利した。戦って死ぬのでなく、ただ南方をうろついた末餓死させられるなんて最悪だ。戦争は全部無意味だろうけど、中でも「第二次大戦の日本の戦争」は世界一無意味だったんではないだろうか。だから、私は国家の命で戦う戦場は描かない。描けない。馬鹿馬鹿しいから。そういう戦争でなく、「現場の人間が生き残れる物語」を描いてみたいのだと思う。得るものは戦いの勝利ではない。生存だ。そして、実は多く生存した側が「勝利」なのだ。そういう視点って、意外と男性には持てないんじゃないかと。

まあ、偉そうな事言う程の作品になるかどうか知らんが…(ならなくても責任取れないが…)ただ「女性キャラの露出度が少ない」といった感想だけは持たないで欲しいと思ったの。危険な場所で肌を露出し、でかい乳揺らして走り回ってたら大怪我じゃない。ねえ。私には、「露出度の高い女性戦闘員」ほどバカに見えるものは他にない。

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2007年11月19日 (月)

連帯責任の果て。

モリヤ問題に対して何か書こうと、以前から考えてはいるんだがまとまらない。まだ真相も…大体想像が付くとは言え確定してないし。何も悪い事してないとか、政治家は全く絡んでないとか、そういう事だけは有り得ないだろうけど、正直国会なんかで喚問する事に何の意味があるんだろう。偽証すれば偽証罪になるが、「記憶にない」「ほんとに忘れたのうー(んな訳あるか!)」と言っちゃったら偽証にならないし。そんなに正直に話す訳ないもんな。時々喚問で追及する議員をテレビで見て「こいつら刑事の才能ないな」と思った。犯罪に問える事項でないと検察は調べられないかも知れないけど、やっぱり別の監査機関で別に調べないと国会が停滞するだけじゃないのか。国会開催だって税金掛かるのだろう。(- -)ネットに1日2億円とあった。(- -)なんでそんなに掛かるのか全く分からない。(- -)

で…それを言いたかった訳じゃなくて。防衛省の問題だけでなく、最近色んな事件が起きるたびに「関連するものみな同罪」みたいな流れになり、世の中の全てが停滞気味な気がしてどうも気持ち悪い、と言いたかったのだ。看板屋のやまくんによると、某大手建設が鉄骨減らしちゃった事件のせいで、最近建築関係の書類審査にいやに時間が掛かるようになり、仕事が進まないそうだ。無実でも「ここもやってんじゃないか」と疑われ、じっくり審査される訳だね。逆に言えばそれまでは「大丈夫だろう」と簡単に審査してた訳ね。もちろん、それでも大丈夫なくらい信用は守られてたって事だろうけど。食品でも「あれも偽装これも偽装、もーみんな信じられない!」とか言ってたら食べるものがなくなる。ご近所で恐い事件が起きると子供も外で遊べない。学童保育が必要って話になる。何か有名な機関に事件が起きて信用が失墜すると、社会全体が動き難くなるもんだ。無くても良かった監査制度が必要になってさらに人手と経費も掛かる。どんな手を打っても、結局また別の事件が別の方面から起きてメタメタに。いたちごっこだ。この先、世の中はもうどう頑張ってもスムーズに動かない気がしてならん。結局全てのシステムを造り直すしかないのだろうか。でも、システムを変えたところで堕ちた人間の自浄能力はアップしないんじゃないだろうか。穴のないシステムはない。別の虫が付くだろう。

たとえば…偽装で話題の「キッチョー」も船場だけが悪かったのなら、あとの同ブランドは酷いとばっちりだ。家族が薬に手を出した場合、芸能人は一気に地位を失うのか。何かと叩かれる公務員だって、少ない給料でボロボロになるまで働いてる人種とキャリアには格差がある。病気等で本当に生活保護が必要なのに受けさせてもらえない人間がいる反面、働けるのに働かず税金を巻き上げて暮らしてる人間もいる。かつて人間は「みんな大体同じ事情」と考えても良かった。一つの立場、集団を一括りで把握してシステムを作っても、そんなに現場とのギャップは生じなかった。今は違うようだ。個人主義になった成果か、同じカテゴリーでも個人個人の格差が激しい。そういう「一人一人の事情、情報を的確に拾い上げる」「人を立場でなく、抱えている状況に合わせて認識し対応できる」全く新しい社会システムが必要なんじゃないだろうか。それはまだ誰も考え付いていない。私だって言ってみただけ。でも、何も知らないのに突然連帯責任をなすられ、本来有能に働ける人材が無意味にどんどん社会から放逐されていくなら恐ろしい事だと思うのだ。それは死ななくていい、有能な人材をどんどん無駄死にさせた旧日本軍と大差ない亡国の悪行だろう。それでなくても今時は「使える人間」がどんどん減ってるし。悪を裁く反面、「これは守るべき」というものをはっきり打ち立てないと、気が付けばなし崩しに全てが失われてしまう気がして。

と、言いながら。安全な物だってあるだろうと思いながら…やっぱり中国製食品は買えない自分がここにいる。(- -;)

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2007年11月 7日 (水)

辞任撤回をこの人に聞く・後編

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071107-00000956-san-pol

一応オザワ会見見たんですけど。横でやまくんが大声出して仕事の電話受け始めるもんだから(- -;)、半分くらい聞こえんかった。まあ大体、「予定したマニュアル通り」の説明という印象。今まで周辺の民主党議員が解説した、見掛け麗しい論理のラインを全く外してない。そういう所も、きつい質問をかわすあたりも彼が変わったんだか、オザワらしからぬ感じがした。でも絶対二大政党!と思っていたなら、そもそも大連立話にクラッと来たりしなかった筈だろ。選挙選挙ばかり言ってたのも引っ掛かる。あくまで選挙のために戻ったんだろうが、選挙以前に解決しなきゃならん事がいっぱいありそうなのにな。民主党議員の誰かも言ってたが、「選挙行脚でなく、まず国会出ろよ」というのが私の感想。あと、「首相から党首会談を頼まれたら断われない」とゆーのは嘘だ。あべっちの時はハナも引っ掛けなかったからだ。首相は断われても、ナベツネに頼まれたら断われないの…? それはそれでなんか怪しい…

質問「この辞表撤回会見、民主党員はどのくらい納得したんでしょう?」

やまくん「表向きは半々。水面下では7割が納得してないじゃないですかにゃん。」

質問「7割は多いですね。それでは選挙に向けて一丸、にはなれないでしょうか?」

やまくん「いや表向きと言うか有権者の手前、挙党一致を強調していますにゃん。」

質問「この先、衆院選まで民主党は表向きでもまとまっているでしょうか? それともまた別の火種が燃え始めるでしょうか?」

やまくん「衆院解散が長引けば民主党はあせってきますにゃん。その時小沢に反感を持っているグループが飛び出す危機は残っています。有権者は一度連立に傾いた小沢を信用しませんにゃん。」

やまくん解説員、長々とお疲れ様でした。大所帯の党でも実は耐震偽装とか、鉄骨が足りなかった(- -)ならば先行き危ういなあ。そういや、ヨミウリ記者の発言訂正要求にも答えてなかったから、外部からまた鉄球が飛んで来る事だって有り得るかも。まあ早くゴタゴタを収め、ガソリン税を下げさせる仕事だけでもしてくれないもんかね。

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辞任撤回をこの人に聞く・前編

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000946-san-pol

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071106-00000140-mai-pol

…あーー。れよあれよという間に。今度は辞任撤回ですって。いきなり連立の話に乗ったり、いきなり辞任表明して撤回したり、この頃のオザワさんはらしくないと言うか、訳が分からない。大体、最近国会であまり姿を見た事なかったしなあ。色々影には事情があるんだか知らないけど、国民の知らないうちに勝手に盛り上がり、勝手に進退を考え、勝手に感涙するのはいかがなもんか。ただ、影の主な仕掛け人がナベツネだったという、前回の私のブログはとっても正しかったようだ。(^^) フクダもそれをうまーく利用した、という所か。たとえオザワが引っ掛けられたのだとしても、①自民党と全面対決でなく、実は協力する意欲があった②自分の党を「選挙で勝てない」と言っちゃった③民主党はオザワが抜けたら、あとろくに人材がいない事を露呈した、という傷はどうやって埋めるのか。これから説明会見するそうなので、本編の記事はそれを見てから書くべきだろうが、ちょっと前振りをやまくんに聞いてみたい。それにしてもワタナベコーゾー、ちゃんと人の話聞いて人の質問に答えろよ。

質問「結局、今回の騒動はオザワさんの本意ではなかったという事でしょうか?」

やまくん「と言うか思惑が外れたという事ですにゃー。」

質問「本来、どういう形を彼は狙ってたのでしょう?」

やまくん「しばらくはおとなしくして、参議院17名以上の賛同者を集めるつもりだったんですにゃー。」

質問「やっぱりその線ですか。でも、それなのにあっさり辞任を撤回して党首に戻ったのは何故でしょう。思惑もまた撤回したのでしょうか?」

やまくん「結局17名以上の確保が無理だと判って、党首にもどったんですにゃ。」

質問「フクダ首相やナベツネの影響はどのくらい大きかったのでしょう? オザワさん本人の意図の方が強かったのでしょうか?」

やまくん「ナベツネに乗ってフクダ首相の大連立に色気を出して見たものの、党内からの思わぬ反対に合い 党首を投げ出したんですにゃ。それで17名の賛同者を募ったが集まらなかったのですにゃ。結局ナベツネの誘いにオザワの野望が乗ろうとしたのですにゃ。フクダはどっちでも良かったのですにゃ。大連立が成っても、潰れて民主党が混乱してもにゃ。」

やまくん解説員、有難うございました。さあ、会見を踏まえたブログ後編はどうなるか。果たして目新しい展開になるか、それとも聞いても大差ないのか?

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2007年11月 5日 (月)

オザワ辞任をこの人に聞く

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071105-00000004-jij-pol

…世の中何がどうやるやら。オザワさん辞めるんだって。世間もせっかく与野党対決!という力の入った構造を作ろうとしてたのに、実は党首は双方連立したがってて、丸めよーとしたが反対されて丸められず、辞めちゃってグジャグジャ。分からん。そもそもこの政権の状態、どの方向に力点が置かれてたのかがさっぱり分からなくなってきた。だけど、「本当は連立したかった」「このままじゃ民主党は選挙で勝てない」「不信任を突き付けられたも同然」まで言い捨てて去るってーのは、要所要所に爆薬を仕掛けて一撃でビルを崩壊させる、あの爆破作業に近いものがあるような。(^^;)まして噂通りオザワチルドレンの人を大量に連れて離党したりしたら。でも、私はそれはまずないと思う。民主党が解体したりする事もないだろう。元々芯がないだけに、ポイントを壊しても全体は壊れない。私はこれ以上に政治通じゃないので、私よりは政治に詳しい、うちの「解説員やまくん」に意見を聞いてみたい。

質問「党首会談は、ナベツネが仕掛けたというのは本当でしょうか?」

やまくん「恐らく本当ですにゃ、彼はずっと大連立を進めてましたからにゃ」

質問「ナベツネは裏の政治家、くらいの権力があるんですね。」

やまくん「裏というか別働隊ですにゃ。今も読売新聞で大連立キャンペーンをやっていますにゃー。」

質問「では読売とナベツネの、最終的な目的は何なんでしょう?」

やまくん「保保連立による安定した国会運営ですが、これはあくまでもナベツネの考える“安定”ですにゃ。」

質問「保保、では一党支配と全く変わらない。そうさせようという動きが元々あったという事ですね。」

やまくん「ナベツネは元々大政翼賛には反対しているんですにゃ。かつての戦争に突入した記憶がありますから。彼はA級戦犯が合祀されている靖国への議員の参拝に反対しているくらいですから。その彼が保保連立を目指しているのは、自分の新聞の発言権を強めたいからだと思いますにゃ。それが彼の“正義”を実現するものだと考えているんですにゃ。」

質問「うーん、こういう観点はテレビでは突っ込まないだけに興味深いですね。ところで、オザワさんは何度も党の創造と破壊を繰り返している訳ですが、今回の辞任はその一つで、こういう騒ぎははこれからも続くのでしょうか。それともオザワさんもそろそろ、最終的な目的達成に向けて動き出すのでしょうか。」

やまくん「彼の最終目的は政権の奪取よりも政界再編ですにゃ。これにより『民主も割って自民も割れる』のが一番いいんでしょうがにゃ。民主を飛び出すのは総選挙の後か前か。目が離せなくなりましたにゃー。」

やまくん解説員、有難うございました。(^^)という訳で、もはやドラマより先が読めず面白い政界なのだった。でも今日の報道の分量は、オザワ:カメダが5対3くらいだったなあ。まあこれからだろーけど。

追記・今、「2時っ○ャオ」で指摘してたのでやっと気付いた… じじー放談。そう、日曜にナカソネとナベツネが海軍カレー食べながら「連立すべきだ」なんて言ってたの、私ちゃんと見てるんだよ。あれは日曜に喋ったのではないのだ。録画だからそれ以前。確かに海軍カレーと言えば金曜日に決まってる…しかも、あの党首会談の2時間の長い休憩時間に収録したって? わぁあ! 推理物で、目の前に犯人がいるのに気付かなかったのと同じ気持ち! 鈍いぞ私!

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