お隣の闇
とても気になるが、あまりに深刻そうなので時事替え歌にできないチベット騒乱のニュース。ネットでちょっと調べてみたら、そもそも報道に片寄りがある、という話で喧々諤々になっていた。確かに「かなりの大事」らしいのに日本での扱いは大きくない。中国当局の発表はもちろん歪曲されてるんだろうし、ネットも当局にかなり検閲、規制されている様子。下手に調べるとアクセスをチェックされる可能性もあるとか。恐いなあ。日本はその点割と自由だから、相当危険な内容でもない限り政治をあれこれ言っても誰かが監視に来たりはしない(と思う…)が、海外は今荒れている。中国は元々多くの問題を抱えていたものが、オリンピックを控えて噴出しているという。報道関係でも現地関係でもない人間は、あまりこういう問題に関わらない方が良さそうではある。
スピルバーグ監督が北京オリンピックの芸術顧問を辞退、というニュースが流れ、その時初めて「スーダンのダルフール」という地名を聞いて「えっそんな事があったの」と思った日本人は私だけではない筈だ。知っていた人間は馬鹿だと思うだろうが、元々知識もなく、報道もされない情報を突然調べだす一般人はいない。しかもニュースは簡潔で不十分。中国とスーダンとスピルバーグに、一体何の繋がりがあるのかさえ分からない。実はスーダンは中国の傀儡政権で、多額の出資を受けているという。それも色々検索して初めて知った話だ。日中には記者協定があり、中国政府に不利な情報は出さないのだと書いてあった。そんなものはないという書き込みもあった。今までネットは過度に自由で、良からぬ物を含めあらゆる情報が流れていると思っていたが、存外そうでもないらしい。特に民族問題が絡む情報は… 触ると本当に危険そうだ。
おそらくチベットの「騒乱」は、日本で知られる何百倍も深刻なものだろう。私なんかが持っていた、高地、澄んだ青い空、信心深い温和な人々…というロマンチックなイメージはもう通用しないのかも知れない。日本人が何の他意もなく口に出来る「ダライ・ラマ」という言葉さえ中国では禁句になっている。この大国は今、どれ程の闇を抱えているのか。ギョーザ騒動にしても、誰が見ても明らかに農薬は中国国内で混入しただろうと思われるのに、当然のように「我が国に責任はない」と言い放つ神経。ある意味、国内での言論弾圧が他国にも通用すると思っているかのような傲慢。大気は汚染、食料は危険、国内は暴動…て、それでもやっぱりオリンピックは開催するのか。行った選手団は無事でいられるのか。ボイコットしようという声もあるようだが、多分全ての騒ぎは封殺する方向で、やっぱりオリンピックはやるだろうし、日本もアメリカも関係を悪化させたくないから多くは語らないだろう。それは恐ろしい事だが、確かに事態に無知な素人がこんな問題をやたら掘り返しても良い結果は出ない。静観する事しか出来はしない。「毒ギョーザで被害に遭うかも」というような、当事者の立場に立った時しか、人は自信を持って声を上げられないのかも知れない。
真実はいずれ全て表に現れるだろう。一部の片寄った所に「真実を知ったリスク」を及ばせない為にも、知らせる時には全世界的に堂々と公然と、「取り返しの付かない」形で発表して欲しいものである。
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コメント
この際、オリンピツクをボイコットするのが、中国には痛いでしょうね。選手はいろいろ事情もあるでしょうが、観客で行くのを止めるのは、個人でもできます。もっとも、私は最初から行く気はありませんでしたが。
投稿: 志村建世 | 2008年3月17日 (月) 16時50分
志村先生・
私も行きません…と言うより、どの道行けないんですが。たとえこの件がなくても、食品や大気の安全性が心配です。北京オリンピックは、この先も開催まで色々な問題が起きそうです。
投稿: いくたまき | 2008年3月17日 (月) 17時14分