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2008年5月16日 (金)

人のふり見て…

もう、四川大地震に関する記事ばかり書くのはやめたいのだが、また状況が大きく変わってきたので付け足します。…すごいなあ。日本の救助隊を受け入れ、他の各国にも門を開きつつある。やっぱり中国、この震災で相当内実が進歩しそうだ。災害時に不謹慎かも知れないが、「かつて24万人が亡くなった唐山地震」なんて私は知らなかったし、その頃は文化大革命で海外にはまともな情報さえ伝わらなかったというから… 隔世の変化じゃないだろうか。そんなに遡らなくても、首相がヤスクニに行くか行かないかでしか日本を評価しなかった、コイズミ政権下の空気から考えても状況は一変している。「まだ中国のここが悪いあそこが悪い」と指摘するのは簡単だろうが、北京オリンピックが決まってからの大発展といい、今回の対応といい、国家の変化するスピードとしては「爆走」クラスだ。ちなみに唐山地震の年、日本はロッキードでタナカカクエー逮捕があったという。政治家の汚職が酷かった頃だ。日本も、今は規制法やなんかで汚職はかなり少なくなったものの、今度は官僚や公務員がムダ遣いしまくっている。(^^)中国に比べて進歩したと言えるだろうか?

たとえば海外の真似。たとえば自然破壊。たとえばマナーの悪さ。日本人が思う中国の「嫌な面」は、ほとんどかつて日本人自身が持っていた欠点と同質だ。ただし国土と人口が比較にならないほど巨大なせいか、噴出する「欠点」はその何十倍も大きく見える。日本人からすると、自分達の「悪さ」を拡大して見せられているような感がある。だから反感も強い。いわば近親憎悪だ。最近、日本では親子や夫婦、兄弟といった肉親同士の凄惨な事件が多い。身近な友人を掲示板で侮辱したり。ある意味、今の日本人が一番嫌っているのは自分自身かもと思う。不正行為自体は認められないにしろ、そんな日本人の内面のドロドロまで被せられて憎まれているなら気の毒な話だろう。別の国家、別の民族だが、私には中国は日本の辿ってきた道を、パラレルワールドで「再現」してるように見える。しかも超短期間に凝縮して。日本にも恐怖の弾圧があった。高度経済成長があった。真っ黒な汚職があった。バブルと成金、海外での傍若無人な不品行があった。…そして震災があった。毒を撒く集団がいた。想像を絶する列車事故があった。四川の災害は日本とかなり違うものだが、都市部と山岳地帯がやられているあたり、阪神と中越の状況を合わせたようにも見える。だからこそ日本には、その苦しみで学んだ対策があり、ノウハウがある。助けられる面は多いと思う。

今はまだ人命救助が第一だが、この先、日本で起きた震災後のトラブルも、四川で大規模な形で再現されるのでは、というのも心配である。仮設住宅の不足、車で寝泊りする人が出たらエコノミー症候群、インフラ復旧の遅れ、肉親を失った老人の孤独、地震の恐怖によるショック障害… 緊急事態の時は必死だから乗り越えられた事も、苦しみが長く続くと耐えられなくなる。その全てを政府が対応し、解決するというなら、細やかな気配りや専門的知識、そして多くの立法や機関が絶対必要になるだろう。独裁的な権力構造ではほぼ不可能だ。それでも国民を救うというなら、中国は更に大きく変わらなければならない。どう変わっていくのだろう。それとも対処せずに放り出してしまうのだろうか。大変なのはこれからだ。中国の国際的な評価がどうなるのかも、まさにこれからが正念場だ。

できれば、中国には日本から多くを学んで欲しい。強権の弊害や災害の防ぎ方だけでなく、個人的には薬害や公害の恐ろしさを学んで欲しい。かつてどれ程の日本人が、どれ程無残に人体を破壊されたかを。そして同じ徹は踏まないで欲しいと強く思う。日本の悪い面を再現してはいけない。あと、最近日本で流行の「肉親の殺し合い」や「ストレスだけの無差別殺人」なんかも絶対再現しないで欲しい。他にも…「いじめ」「モンスターペアレント」「育児放棄」「私用で救急車やパトカーを呼びつける」「花壇のチューリップを荒らす」「イヌネコ、カラスなどを餌付けして周囲に迷惑掛ける」「オタクの聖地を作ってパンツを見せる」…等々。真似してはいけない事は山ほどあるので気を付けて下さい。(^^)ほんと、日本は他国を偉そうに非難してるヒマはないと思うな。でも、すでに「ネット誹謗」や「振り込め詐欺」はすっかり学んでしまってるようだし…心配だ。「何十倍、何百倍の悪質さのモンスターペアレント」なんて、想像するだに恐怖以外の何物でもない。

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2008年5月14日 (水)

復興は無限

前回の震災に関する記事の補足。生き埋め9万人、とニュースに出たのでそう書いたけど、後で訂正が入りましたね。ほんとは2万人くらい…って別に少なくないし… これからまた増えるかも…

断層のズレが300キロあったそうだ。東京-名古屋間くらいですか。…凄まじい長さ。やっぱり規模が違う。その間、ずっとプレートがぶつかってジワジワ陸地が移動してる訳ね。震源地に近い場所の映像を見たが、地面になんとなく溝のような物が露出してて延々と続いてる。それが断層だと言っていた。…断層見ながら生活してたの!? よくそんな恐い場所で… 実は地震国だそうだから、昔から住んでる人間は地震対策くらい考えてなかったのかと言いたくもなるが、あまりに規模が大きかったのと、急激な発展で耐震構造のいーかげんな家屋が多かった事が被害を大きくしたようだ。

中国という国には色々嫌な面があるし、地震とギョーザ問題は別だ。でも私は今、この国を非難する気を無くしつつある。もちろん問題は問題で解決を望むが、おそらくこれから、この国は初めて「自国の問題に自国で向き合う」事になると思うからだ。まだ他国の人的支援も断わってるようだし。地震は誰のせいにもできない。問題点を他国が言ったって反感が募るだけだろうが、地震による国内の大破壊、という現実には反感持っても意味がない。直面して解決するしかない。中国人記者の口から「学校が倒壊したのに、政府の建物が無事なのは何故か」という批判的な質問が政府に対して飛んだのを見て、私は正直驚いた。この国、大災害をきっかけに変わるんじゃないかと思った。懸案の聖火リレーも、中止こそしないが黙祷や規模縮小、義捐金の募集といった、お祭りとは色合いの違う物に変更されたようだ。今までなら何が起きても絶対やらなかった事だ。本当は中国は最近酷い物価高で、かなり国内の不満は高まっていたという。一応民主主義国の日本人が、日本政府に不満を持つのと同じような不満を、彼らだってちゃんと持っているのである。ただ言論統制であまり言えなかっただけ。しかしさすがにこの事態を前にしては、もう国民の我慢も政府の統制も効かなくなるんじゃないか。

もちろん、中国政府はそれを一番恐れているだろう。救助の映像や美談の情報が流されるだろう。しかし、現実に瓦礫の山を見、救援が来ない被災地を見てしまった人達にそんな情報操作が役に立つだろうか。これからは中国政府はプロパガンダではなく、「現実にどう対応したか」で計られるのだ。もちろん国民に。…そして、日本人から見ると気の遠くなるような広大な被災地を、しかも壊滅的な被害を受けた被災地を、彼らが簡単に支援、復興したりできないのは火を見るより明らかである。あまりに広過ぎて、全被災地を把握できるかどうかさえ怪しい。阪神や中越なんて、震度や被災面積で言えばこの震災には遠く及ばない。なのに…あれ程大変だったのだ。人々は生き残っても、経済的な問題や病、心の傷で長く苦しんだのだ。まだ復興しきれてない所だってあるのだ。あの苦労の何十倍、何百倍もの混乱をこれから中国は経験する。逃げ道はない。乗り越えられねば体制の維持すら難しくなるだろう。…だから、私はもう「中国」に反感は持たない。「中国政府」には反感持っても、国それ自体には。それをやるのは、これからは中国人自身の仕事だと思うから。せめて人命や人権を尊重する国になるまで。時間は無限に掛かるかも知れないが…

それにしても、震源地あたりの風景はほとんど中国と言うよりチベットだ。一番被害を受けたのはチベット族の人達じゃないか? それなのに、ネットではまだいい気になって「ざまあ」とか書きまくってる馬鹿がいっぱい。こういう人間は、「チベット族の人たちの悲劇を嘲笑って祝っている奴」と理解しておくぞ。(- -)「誤解してた」とか言ってももう認めない。リンクが消えても、書き込みのデータだって無限にどこかに残るんだからな。

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2008年5月13日 (火)

破壊は一瞬

あまりの事に何を言っていいのか分からない。四川省大震災。テレビでは「阪神・淡路の30倍のエネルギー」と解説していた。とはいえ、あの壊れ方は… 元々現地はレンガ造り、石造りの家が多いようだ。しかも映像見たら鉄筋が入ってない。耐震基準も低いらしい。その上ああいう国情、急速な発展の中、手抜き工事で適当に作られた建造物や道路も多かったのではないか。木材の柱なら、倒れてもうまく隙間に挟まって生存できる事もあろうが、大石が崩れてきては… これ以上は痛ましくて考えたくない。

最近の風潮。やっぱりネットで「ざまあみろ」「天罰」みたいな残酷な書き込みが踊る。別に相手が中国だからじゃないと思う。同じ日本人の阪神の被災者にだって、一部では凄まじい嘲笑が浴びせられた。そういう連中は誰だろうと、弱ってると見ればいい気になって踏み付けるんだ。確かに最近の中国の国策は目に余るものがあるけど、被災地は「チベット族など少数民族が多く住む所」なんだけど。チベットをいじめた罰がなんでチベット近辺に当たる? 馬鹿か。この間まで「なんて気の毒なチベット」と騒いでたんじゃないのか。まあ、心無い書き込みへの非難も多くあったし、ネットに居る人間が全部「脳なし」な訳ではないと思う。貧しい地域では、パソコンもネットインフラもなく、よって誹謗中傷も見た事がない人だって沢山いるだろう。

今年に入って豪雪、豪雨、この間の列車衝突事故、そして大震災。この所中国は災害、問題続きだ。なのにこの大災害の四川で、やっぱり聖火リレーをやる予定らしい。非難の声も高まっている。人道的に許されないというが、大体それ以前に予定コースの道は通れるのか、チベットまで聖火を移送する道は残ってるのか、と思ってしまう。まあ中国は広いし、ヘリなども使ってごり押しすれば「不可能」ではなかろうが…そもそも「ごり押しする聖火リレー」なんて物自体が前代未聞だ。オリンピックはもう無理なんじゃないかという懸念も起きている。私も気持ちとしてはそう思う。この災害の救助、その後の復興だけでもどうなるか分からないのに、実はいまだオリンピック工事すら全然終わってないという。大気の不安、食の不安、マナーの不安…に地震の不安まで加わって、一体どれだけの人間が楽しんで見に行くのか。それでも、今日もテレビでは何事も無かったかのように「北京への切符」を掛けたアスリートの話題が上る。他国に高い警備費用を払わせ、周囲の迷惑省みず沿道を赤い旗で埋めて世界をリレーして回ったくせに、国内ではやらないのか…という見方もある。大体、今まであの国の全ての計画や予定がオリンピックを中心に動いてきた。というか、国内事情が付いて行けないのに強引にそう持ってきた。ここで急に「やっぱりオリンピック止めました」となると…それこそ失速どころか、国家や経済が「暴走列車が崖に激突」したような惨状になる可能性もある。引くもなんとやら、進むもなんとやらだ。今までのゴタゴタ全て脇に置いて、素直に「気の毒」としか言えない。日本人には言われたくない、と思うだろうか? そう思うのは一部だろうか?

ただ…地震からまだ1日目で、これだけ状況の掴めてない中で、しかも少なめに見積もられているであろう公式発表で、既に死者1万人以上、9万人以上生き埋め、6万人と連絡が取れず…と報じられている状況には寒気を覚える。しかも肝心の震源地はまだ音信不通のままで。どんな国家であろうと、大災害の時は無条件で国連や各国の救助を受け入れる、という国際ルールは作れないのだろうか。多分無理だとは思うけど、ここまでの大災害となるともう世界規模で動かないと解決できないのではと思うのだ。ミャンマーもそう。これまでも世界のどこかで大災害が起き、国外にはろくに情報が流れず、封殺された例はあっただろう。でも国際的な情報時代になった今、「見なかった事にしてくれ」と言っったって通らない。こっちだってあれだけ色々見ちゃったのに「無かった事にして忘れる」なんてできやしない。自分の国が地震国家なのに、色々体験した後なのに「あれは他人事で自分の身には起きない」と思える程、大抵の人間は神経が太くない。

「国」というカテゴリーには傲慢も覇権争いも裏切りもあるだろうけど、民族や文化の違いもあるだろうけど、全てを失った緊急時の「人間」の状況はみんな同じだ。食料。水。雨露を防ぐ仮住い。トイレ。赤ちゃんにはミルク。怪我人には医療。必要な物だって同じだ。この先地球環境がどう壊れていくか分からない時代に、下らない見栄や利権を求めたり、差別したり、非難し合ったり、ましてや戦争なんて下らない事をする程の余裕は人類にはもう残ってないだろう。戦争なんて歯牙にも掛けない程の規模で、災害は人間を滅ぼせるのだから。助け合うだけで精一杯。そうじゃないだろうか。

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2008年5月11日 (日)

封印のガメラ映画(^^)3

この記事は「封印のガメラ映画(^^)2」の続きです。1と2を読んでからお読み下さい。

その頃、ラジオで「500カラットのダイヤを使う作戦」を聞いたのが「逃げた男」。オパールが実は怪獣の卵で損したから、今度はこのダイヤを盗ってやるーと出掛ける。…全国報道するもんじゃないと思うなあ。狙われるの分かってるのに。ともあれ、「赤外線ダイヤ光」でうまくバルゴンを誘導し、琵琶湖(関西(^^))に沈めようという作戦が、今度は成功しそうなその時に、この男がやって来てダイヤを強奪し、ボートで逃走。ピストル一丁で脅されるなよ…チームは主人公と娘と科学者。丸腰の民間人ばっかし前線に立ってます。そして男はダイヤごとバルゴンに食われ、最後の希望は潰えるのだった。非科学的な作戦で貴重なダイヤを焦がすに忍びなかった英雄的行為、かも知れない。…そしたまたこの間長ーい間、ガメラは出ないのだ。「…これ、ガメラの映画じゃない…」

バルゴンが背中から出す「殺人光線の虹」だが、これは「全ての物を消滅させる」恐ろしいものだという。それは原子分解か何かで、殺人のレベルではないのでは? しかし科学者は科学者のくせに「殺人光線と呼んでいいでしょう」と命名しちゃうのだった。全てが消滅した現場に車のミラーだけが残されていた。鏡で安直に反射するらしい。「そうだ、これを見て下さい」と突然ガスバーナーで実験し始める主人公。バーナーの炎でバーナーは融けないが、それは噴射してるからで、別のバーナーに炎を当てれば融ける。だから殺人光線をバルゴン自身に当てれば…と言いたかったらしい。が。バーナーの炎を人に向けて長々説明すなー!いけないって習わなかったの? あー危ない。こうして、人口雨でバルゴンを足止めし、「パラボラアンテナのよーな鏡」と生贄の戦車を用意して、最後の「虹を反射させる作戦」が敢行される。人口雨で動けなくなるなら、梅雨を待って放水すれば済んだんじゃないのか。大体「水で溶ける」生物なら水飲まないのか。そんなトイレットペーパーのように脆弱な生き物がどーやって生存してきたのか。そういや目玉が妙に可愛いなあバルゴン…という多くの疑問の中、作戦は成功してバルゴンは殺人光線を浴び、深く傷付く。しかしまだ死なない。もはや絶望か! ところで虹光線、虹のようにカーブして対象に届くんですが、反射させたら真っ直ぐ走ってました。どうやって光線がカーブしてたのか知りたいなあ…

そしてー。ようやく凍り付いてたガメラが解凍され、バルゴンに向かって飛んで行く!さあ最後の決戦だ。でも物語の大半、出ないか凍ってて(^^)、しかもヘロヘロに弱ったバルゴンを倒して、なんかヒキョーだぞガメラ。バルゴンは紫の体液を残し琵琶湖に沈む。湖から断末魔の虹が…ちょぼっと伸びて、また引っ込む。なんか可愛い… 途中で止まり、途中で引っ込む光線… 開発したら凄いなあ。宇宙が支配できそう… ま、こうしてガメラはまた飛び去り、主人公は娘とひっついてめでたしめでたし。私の知らない科学法則をたっぷり見た、という感じの迷作でしたね。まったくこの時代は…と言うのは簡単だけど、ファンタスティックフォーの科学だって似たようなものだしな。(^^)観客のレベルに合ってれば映画はそれでいいかもね。ちなみに見てないけど、SF史上最大の科学的不条理は「スーパーマンが地球を逆に回したら、時間が逆行した」事件だと言われている。

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封印のガメラ映画(^^)2

この記事は前回の封印のガメラ映画(^^)1の続きです。1からお読み下さい。

全然ガメラが出ないガメラ映画。バルゴンが放つ「殺人光線の虹」のエネルギーを感知し、この辺でようやくグルグル飛んで来る。「わーいガメラだー!」…しかしガメラ得意の炎もバルゴンの冷凍光線で凍らされ、あっさりやられる。すげー情けない。「ねーガメラあれだけ?」ところでオパールを持って逃げた男、実は仲間を殺して(主人公は死んだと思ってる)宝石を独り占めした…という事が主人公の兄にばれる。そして乱闘に。この乱闘が…長い!本格的!ガメラの戦いより余程恐い!かつては「ギャング映画の大映」と呼ばれたそうだ。やはり本領には一番熱が入るのだな。

…さて。その頃主人公と、バルゴンを倒す村の伝承を担ったニューギニアの娘は日本に帰って来て空港に。実は現地には日本人の医者が住み着いており、娘は彼に習っていたので日本語は堪能だった。…とはいえ、着の身着のままで行った筈の主人公がいつの間にかスーツ、半裸だったヒロインはワンピース姿に。おしゃれ。いつ買った… 未開地のボランティア医者、実はおーがね持ちか。そう言えば書きそびれてたが、洞窟でオパールを発見した時、狂喜する大阪弁の男の描く夢が「これで都会にマンション買って!女房子供呼んで!全国を車で旅行するんや!」…だった。これが当時の最高セレブのイメージだったのね。悲哀。(T^T) 

「逃げた男」と会って兄と義理の姉も殺された事を知り、激昂する主人公。ここでまた長い本格的乱闘。男の戦いを逃げもせず見つめている娘、突然顔色も変えずビール瓶で敵をゴンッ。こうして主人公が勝つ。恐いぞ娘… そして彼らは自衛隊に話を付け、(…付くのね)娘は先祖から伝わるバルゴンの倒し方を教える。「バルゴンは水に弱く、水に入ると溶けてしまう」…てあんた。さっき海から上がって来た筈でしょー! 娘は巨大なダイヤモンドを出す。「バルゴンはダイヤの光が好き。これでおびき寄せ、湖に放り込んで倒したという」…500カラットの研磨したダイヤ。御先祖、ダイヤの研磨まで出来たんですか。まあ、とにかくこうして「ダイヤ作戦」が始まる。ダイヤをヘリに吊り下げ、おびき寄せるのだがバルゴンは動かない。「だからこんな作戦は信用できんと言ったのだ!」しかし…さあ、ここからが科学的不条理の真骨頂だ。(^^)

バルゴンは「水虫用赤外線」を浴びて孵化した。だから科学者によると、突然変異(奇○児、という差別用語で呼んでます)だと言うのだ。科学者曰く「放射能で(差別用語)が発生するように、赤外線でバルゴンが(差別用語)になるのは科学的に有り得る事です」て。…有り得ねーってば!赤外線は温まるだけよー!コタツで被爆するのか!遠赤外線の焼き芋も危なくて食えねーのか!!しかし一同深く納得。この頃はホーシャノーもセキガイセンも見境無かったのね。ともあれこうして、「赤外線をダイヤに当てて強化した光」を使った新たな作戦が執行される事に。で、実験中の「ルビーで殺人光線を出すレーザー砲」に、ルビーの代わりにダイヤをセット。これで「赤外線でパワーアップしたダイヤの光になる」…ならねーと言うのに! ルビーレーザーの赤い光と赤外線ごっちゃにしてますね。大体、含まれてるクロム原子を励起させる為にわざわざルビーを使う(調べた(^^))のだぞ。炭素の塊のダイヤ入れたって何の役にも立たねーだぞ。高温ならコゲるぞ!何とかしろよ科学者!

まだ終わらなーい。あんまり長いのでまた分けます。(^^;)続く。 

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封印のガメラ映画(^^)1

レンタルDVD屋の片隅にひっそり固まっていた、古いビデオ。「ガメラ対バルゴン」。ご亭主やまくんがなぜかこれだけは見た事がない、是非見たいというので借りた。一緒に見た。…スサマジかった。(^^;)何がスサマジいかって…これは書くしかない… ストーリー全部書いたらネタバレだろうと思ったんだが、既にウィキに詳細にあらすじが載ってたし(あらすじつーか、あのまんまです)、昭和41年の作だから時効という事で見逃して。

平成ガメラなども誕生し、昔の名作がテレビ放映されたりする中で、何故かこの「ガメラ対バルゴン」だけは出て来ない。(リメイク版はあるようだが、中身は相当変わってるらしい)今日見てその理由が分かった。…こりゃー放映出来んわ。ウィキには「差別用語のせい」と書いてあったし、それも主な原因だろうけど…それ以前の問題だ。とにかく科学考証がムチャクチャ過ぎー!無茶過ぎて何が起きたのか、しばらく理解出来ないくらいだ。多分左脳使わずに考えた科学だろう。戦後20年くらいだと、これでも人は感動したのだろうな…ツッコミ所が多過ぎて、とてもまとめて書けない。順番に書いてみる。

科学考証と言ったけど、科学以前の考証も… 戦時中、ニューギニアの洞窟でオパールを発見して隠した男がいた。いかにも怪しい4人の男が地図を見て話し合う。船員に成りすまして現地へ行き、オパールを手に入れようという密談。テーブルの上にはピストルと…クワイのように長い芽の生えた手榴弾? 後で分かるが、これ「導火線の付いたダイナマイト」である。パイナップル型のダイナマイトなんかあったっけ… で、「ニューギニア」の小さな村に着いたら、どー見ても顔と体を黒く塗った日本人の「原住民」がいて、みんなでハワイアンを踊っているのだ。…ニューギニアだってば。調べたら伝統舞踊では多少は腰蓑も付けるようだけど、絶対フラダンスじゃないって。それにあっちでは顔を原色に塗る。ま、それはいいとして、この部族の「危険だ」という制止も聞かず、欲望の塊となった3人の男達(一人は日本で留守番)はカワ○チ探検隊のように洞窟へ向かうのだった。「危険な毒サソリがいる」…別にわざわざ「毒」付けなくても、ふつーサソリは毒があります。このメンバーの、サソリにやられてしまう大阪弁の男が、なんかあの「オタク防衛相」そっくり。

主人公はオパールを隠した男の弟なんだが、宝石を独り占めしようとする一番悪どい奴にダイナマイトで閉じ込められる。…オパールというが汚い茶色で、とーてー宝石に見えない。これを見てなぜ「あっオパールだ」と思ってしまったのか。物語の根本動機からして分からない。その後主人公は現地の美人に助けられ、禁断の封印を開けてしまった事を教えられる。その頃裏切り者は「宝石」を隠し持って船の中。水虫が悪化し((^^;)…水虫ですよ)、医者の勧めで赤外線を当てる治療をして、ライトを付けたまま麻雀に出掛ける。この赤外線で、実は宝石でなく怪獣バルゴンの卵だった「オパール」が孵化する…のだが。オパールを隠した服、赤外線で焦げてたし。怪獣が発生しなくても船火事でやられてると思うし。医者役は、なんと若き日の藤岡琢也さんだ。気の毒に。そういえばガメラ映画なのに、イントロでガメラ少し出るだけで、ここまで怪獣全く出て来ないの。子供は絶対飽きる。ずーっと延々と、大人の欲に絡んだ汚い争いと裏切り。「ねー怪獣はー?」

で、船はあっという間に巨大化した怪獣に破壊されて沈み、水中で紫の光を発して神戸にバルゴン上陸。宝石を買おうと港に来ていた、「怪しい中国人」も逃げる。お約束の破壊。怪獣の容姿はトカゲ+カメレオンの角のあるやつ。長い舌から冷凍光線を出す。何故出るのか…考えてはいけない。まず壊すのは神戸タワー?…に形状が似てるが「大阪タワー」らしい。それから大阪城を凍らせる。この話、関西圏だけ破壊してます。で…エラソーに自衛隊(らしきもの)に指示を出しているのが首相ではなーい!(^^;)「知事」!じゃー府知事か! 少し前ならノック、今ならハシモトが自衛隊アゴで使うのかー! お…面白過ぎて是非見たいぞそんな非常事態。

うわぁ科学的不条理について書く前に、設定的不条理だけでこれだけの文章量になっちまった! 疲れたから続きはまたね。こんなの徹夜で書くようなレポートじゃないよな…(- -;)

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2008年5月10日 (土)

卓球おじさん帰る

コキントーさん帰ったようです。しかし、「友好仲良し!」でしめたかった割に抗議活動はあるわ、パンダいらないとか言われるわ… 公の舞台以外では皮肉な反応が多かったようで。本当なら凄く進展した日中関係!というシナリオだったんだと思う。確かに、コータクミンさんの時は頭から敵対姿勢、宮中晩餐会に人民服で出席し、天皇陛下の前で歴史問題を言いたくる…という恐い展開だったそうだから、10年で180度姿勢が変わったのは間違いない。大した事と言えば大した事。まあ以前から海賊版の問題とか領海問題とか色々あったけど、ギョーザとチベットさえ無ければもう少しこの訪日は評価されてたんだろうな。…しかしこういう展開ですから。ここしばらく中国に関するニュースは呆れるような酷いものばかりで。テレビしか見てない庶民としては頑張ってとも言えない。

でも、主席の正式な訪日に対してそこまで抗議活動するのは、正直どうかと思った。聖火通過の時パフォーマンスするのと意味が違うからな。聖火に対してなら「その政策に抗議」くらいの意味だが、主席に直接抗議するのは「国家自体に抗議」という意味になる。でも、なんたってこの間まで世界中でこの騒ぎだったから、みんなマヒしてますね。「あーまたやってる」くらいの軽い認識。ちょっと聞きたいのは、この抗議活動「ブーム」はいつまで続くのかという事。本気でチベットを心配してるのですか?オリンピック過ぎても多分政策は変化してないと思うけど、それでもやってます? あと、「フリーチベット」とはチベットに高度の自治を、という意味なのか、それとも独立をと言ってるのか。それとこれとは深刻に違うぞ。

ダライ・ラマさんは賢いので、決して「独立を」とは言わない。ちゅーごく政府がそこまで認めるには、今の国家を解体するくらいの動乱がなければ不可能だと分かってるからだ。それに、あんな状況の危ない国々に挟まれまくった地形で…武力を持たない国が自治を維持できるものか。「日本人には、他国が地続きという恐さが分からないのだ」という意見がどっかにあったが、それが正論だと思う。危ない事は中国に任せ、権利だけ保護してもらう方がチベットにはいいだろう。それに、別にチベット問題は今年突然起きたのではない。あちらも長年やってるのだ。北京オリンピックに合わせて大騒ぎにしたのも、かなり計算の上だ。しかもその作戦はアピール効果、という面で大成功を収めてると言っていい。今年がオリンピックでなければ、ちゅーごくがあれ程ギリギリに締め付けている報道管制をすり抜け、ここまで情報が流れたろうか? くどいようだがダライさんは賢い。実は策士で、成り行きの行動はしてない筈だ。ただ人がいいだけの爺さまでは、あんな「生涯亡命」みたいな辛い立場で耐えられる訳がない。そしてその賢さを知ってるが故に、ちゅーごくもあれ程敵意を持つのではないか。…でも、自治でいいと言ってるのに、訳の分かってない極東の人間が「可哀そうなチベットを独立させよう!」と訳の分からない熱血を始めるというのは、多分ダライさんも計算外だったろうな。

あと「人権問題」というのを、日本人は多分誤解している。主に「言論の自由や労働の権利の平等」の事だと思ってるんじゃないか。それもそうだが、私はチベットにとって最も重要なのは「信教の自由」だろうと思う。もちろんこれも基本的人権だ。昔、フジワラシンヤの本を読んだくらいで(^^)私も多くを知るわけじゃないが、あそこの文化、というか生活、人生の全てが本当にチベット仏教を中心に成立していた筈だ。そういう場所で宗教を否定されては全てを失ったと同じ。況や「金持ちになれるならチベット仏教捨ててもいーや」という人間がもし多発したら…たとえ「他の人権」が全て保護され、チベット人がみんな金持ちで自由になったとしても、それは確かに一つの文化圏の消滅なのだ。ダライさんが主張してるのはそういう事だ。単に銃で撃たれる犠牲の事を言ってるのではない。ところが、共産主義は何故か絶対に「宗教否定」だ。何故かは良く知らない。旧ソビエトだってペレストロイカの前までそうだった。だからちゅーごくが「信仰の権利」を認めるのは、完全に共産主義体制を解体し、民主主義国家になった時以外有り得ない。…つまり、一見ただ普通の権利を求めているようで、実はこれは遠回りな革命なのである。「チベットの信仰の自由を認めろ!」と主張するのは、「ちゅーごく、お前共産主義やめろ!」と言ってるのとイコールなんだよ。だからオオゴトなの。書き込みや抗議の映像を見てると、この人達ほんとにそこまで理解してるのかなー…と思う。ちゅーごくが「内政干渉だ」と怒る理由もそこにある。今流行ってるからって、ストレス解消にノリノリで参加してる人は、実はそこまで深刻な革命に参加してるんだという事を自覚してやった方がいい。

まあ、日本人が本気で頭にきてるのは「ふつーは染み込まないギョーザの袋の外から、高濃度の農薬が染み込んだ」とする不条理な主張、これが一番だと思うけど。(で、あの捜査どうなったの?)ちゅーごくのお金持ちは、日本のブランド野菜を高額で買ってくれる。財政難の大阪に遊びに来て大枚はたいてくれる。これからは環境対策に金を掛け、日本の中小企業に出資しそうという話もある。その反面、すでに下り坂で回収できない借金があり、迷惑掛けているという話もある。日本の商品名を勝手に登録したりするパクリ騒動もある。…今ケンカする訳にはいかない相手だから、緊迫するよりは友好する方が大事だとは思うけど… えげつなく厄介な友人を抱えちゃったかも知れないよな。

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2008年5月 8日 (木)

千葉の面積が沈んだのに

うわー。驚くほどミャンマーのサイクロン被害に関するテレビ報道が少ない。ネット記事にしても、「これもフ○ダとパンダが悪いのだ」みたいな八つ当たり噛み付きコメントが付いてるくらいで、

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080508-00000908-san-int

↑こういう記事にはブログすら付いておらん。ネットは人の国の不幸をエサに自分が政府へのストレス解消したい奴ばっかしか。解説が少ないので良く分からないが、どうも始めは支援物資の受け入れすら渋ってたようだ。さすがに被害が酷いので物資は受け入れたものの、今度は国連の人的派遣に難色を示してるという。大体、情報がちゃんと出されてない。いくら被災直後は状況が分からないとはいえ、始めの報道では死者350人だったのよ。それが今日は10万人かも…て。いくらなんでも落差あり過ぎませんか。支援物資はミャンマー政府がヘリなどで配ってるというが、「家を失った人は100万人」という話だから、どう考えてもミャンマー政府だけで手が足りる訳がない。なのに、この期に及んで国際援助に壁を作っていては。たとえば道路が寸断されていても、日本の震災の場合はバイクが多少使えた。しかし高潮で水に浸かってるとなると、ヘリ以外に物資輸送の手段はなくなってしまう。そんなに大量に所持してるとは思えないし、一国だけのヘリでは間に合わないだろうに。…でも、国家の許可が無ければ自衛隊を勝手に派遣する訳にはいかないんだ。カネだけ出し、物資ばかり増えても移送手段がなければ、集積所に大量に溜まっていくだけ。送る物資の仕分けや必要な物の把握にも膨大なボランティアが必要だから、支援「体制」が整わなければ、モノだけあっても役に立たないのは日本が多くの震災で学んだ通り。フクダがケチで出さない訳じゃなかろう。

大災害の救助に、ボランティア団体だけでなく国家が動くとなると「軍」の派遣となる。無論じえーたいだって「それに類するもの」である。ところが相手は軍事政権。いくら大災害とはいえ、他国の「軍」をつーつーで入れてくれるとは思えない。ましてやミャンマーには色々な国の思惑が絡んでいるようで、チベットの人権問題への非難ほど、世界が一致団結して「助けろ」という声は上げてない感じ。そんなこんなでもめている間にも時間は経っていく。サイクロン直撃が2日夜~3日という事だから、もう5日以上だ。災害救助は始めの3日が勝負。…つまり助けたい側から言うと、悲しいかな何の手も打てないまま始めの勝負には既に負けてしまった後なのだ。被害者数がうなぎ登りに増えていくのも、助ければ何とかなった筈の人まで何ともならなくなるから。現地は猛暑で、おまけに水浸しだから、当然この後疫病などが心配される。更に犠牲者が増えてしまう。今から出来る事だって沢山あるが、何にしても「人」が入れないのでは話にならない。医者は何人いるのだろう。仮設住宅は誰が建てるのだろう。そんなにも国民を救わない政府を、何故変える事ができないんだろう。

ともあれ日本は、災害の時「何とか3日我慢すれば救助が来てくれる」と言うから、色々問題は山積しててもやっぱり幸せな国だ。というより、「おそろしく不幸な国」が地球上にはまだ沢山あるのだ。ネットやマスコミも報道された事を、報道された順に騒ぐだけの話で、「悲惨な所から助けよう」としている訳では全くない。他にも状況は凄まじいのに、話題性がないからほっとかれてる国なんて幾つあることか。今日一番枠を取ってたニュースが「オグリシュン熱愛」と「キッチョー食べ残し」だった時点で…「いーやもう。こんなメディアどーでも」と思ってしまった私である。取り合えず、あまりにサイクロン被害の話題が出てないので、自分の考えられる範囲で記事書いてみました。

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2008年5月 6日 (火)

海を見に行った午後

2008umi 連休最後の休日。…ずっとどんよりしてたのに、今更晴れてもしょーがないだろ!というくらい良い天気である。だから海に行った。(^^)車だとうちから10分掛からない。千葉の海岸、見渡す限りだーーーーっと何も無い砂浜を散歩するだけ。それでもちょっと波が見たかった。

いや…この間「ガンバの冒険」のDVDを借りて見た時、あーやっぱりこれだ、という感覚になったので。私の知る限り、アニメで最も「海っぽい海」を描いた作品はガンバである。この作品、ネズミ以外の風景は劇画調で決してアニメタッチではない。線が荒い。色数も、動きの枚数も多くない。なのに、これだけ進化した美しい動画が描かれてる現代ですら、一番「海に見える海」はガンバの海だという事に気付いたのだ。何が違うのかというと… 他の「海を描いた絵(動画)」の海は大抵ただの「水」だということ。でも、「海」は「水」ではない。海はあくまで海という、別種の何かだ。だから、普通にそれっぽく描かれた海の絵からは「潮の匂い」がしない。ガンバの世界にはそれがちゃんとあった。重く、湿気た空気。濡れた所が粘つく塩分。錆びる金属。人間(あるいはガンバならネズミ)の都合も、予測も通用しない破壊的な重量とランダムな動き。

海は「海水」という特殊な液体で出来ている。塩分や、そこで生きてきた多くの生物のエキスを含み、粘ついている。だから波が通った後には洗剤のような泡が残る。粘ついて重量があるから、波が「砕け」ても漫画のような綺麗な水玉になって飛び散ったりはしない。勢いで盛り上がり、重力の法則に従って落下し、ぐしゃぐしゃと丸められるように崩れ落ちていく。波も、さっきまで浜の遠くにしか打ち寄せてなかった物が、突然足元まで押し寄せて驚かせる程に気紛れである。重い水は簡単に溶け合わず、波ごとに薄い層になって重なっていく。波の発生する大きな原因は風だが、風が無くても地球の律動で海水は常に動き続けている。動いているのが海の普通の状態なのだ。だから「溜まった水がザバザバ揺すられている」感覚では決してない。その上波は「重い」。見るからに重く、当たったら痛い「物体」である。水は優しく従順、みたいな女性的なイメージは沸かない。(まあ、これは千葉の荒波ばかり見てるせいかも知れないが)…要するに、実は絵や動画で描くのが最も難しいのが海であるということ。

いやね、この夏公開になるというジブリアニメが、「海を描いた物語」で「金魚姫」、という時点で私はすごく引っ掛かっていた。海に金魚は有り得ない。それは「淡水魚だから」というだけではない。近所で海を見てると、この海という怪物の中から「か弱く、生きるに不都合そうなヒラヒラした尾を持つ生き物」が出て来るというイメージがどーしても結び付かず、沸かないのだ。最近は「金魚」と言うのをやめて「さかなの子」と言ってるみたいだけど、デザインは金魚のままだしな。海のイメージを出す為か、手描きの上水彩で彩色してるという…手間が大変だろうとは思うが、上に貼った写真を見て欲しい。水彩のイメージだろうか。私にはどうしても海は油絵に見える。前述の理由で、海は「薄い水分」よりはずっと「粘度の高い物体」に近いからだ。もちろん海の描き方なんて千人いれば千通りあるので、どんな描き方しようがそれは作家の勝手だ。ただ、そのアニメでは海の描き方に一番力を入れている…という話だから、私は少々気になったのだ。そのアニメの海からは果たして「潮の匂い」はするんだろうか? もちろん、全くしなくてそれも作家の勝手だとうは思うが。

動画の良し悪しとか枚数とか、そういうアニメ技術的な問題を全部抜きにして… 私は「船の上でガンバが初めて海を見る」というシーンが、「海の感動」を表したアニメ史上最高のシーンだと思っている。夜と悪天候で、黒かったり白かったりする海しか見てなかったガンバ。ようやく空が晴れて船底に光が差す。船酔いでゲロゲロになってる癖に、死に物狂いでデッキへと上がって行くガンバ。…ああっと目を見開く。灰色だったガンバの目がゆっくりブルーに染まっていく。船の向こうは一面の太陽光と、輝く青い海、揺れる波。「海だ!海だ!これが海なんだ!」… 海の感動とは、海であること。それが全て。この事実を超えられる演出は何も存在しないと…私は思うのだがな。

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2008年5月 5日 (月)

おまけ・コキコキ試算(^^)

「コキコキ」とは「後期高齢者なんたら」の略です。いや、この制度「廃止!」と野党さんが言ってるので、もし政権変わって廃止になったら、一体システム改変にどのくらいの経費が掛かるのかなーと思って。

またシステム改変となると、まずソフト開発費がかかる。価格は高い低いあるだろうけど、まあ安くて1000万とする。次に役所の数。全国の市町村の数が1811だそうだ。ここに都道府県の県庁入れて47。足して1858。厚生労働省自体の事務所…どのくらいあるのかまるで分からないが、まあ20くらいとして足して1878。一つの事務所に業者が「どうもーインストールに来ました」とやって来て、そこのパソコンのソフトを書き換える仕事したら軽く2~3千万。まあ安く2千万とすると、それ掛ける1878で375億6000万。開発費入れて安めに見積もっても375億7000万。ここに広報や資料、チラシ、書類発送等の経費入れると500億くらいかなー。もーちょっと安い? 高い? ま、どっちにしても大変な浪費。しかも地方が負担かぶる可能性も大。

一度準備してシステム作っちゃったものは、そんな簡単には変更できない。何したって金取られるのが世の習い。だからってソフトだけ地方に配り、「業者に頼まず自分達でインストールするように」と任せたら…そんな恐い事考えたくないぞ。(^^)あのシャホチョーを見たまえ。「あー、インストールしたら20年分のデータが消えちゃったー」「しょーがない、適当に入れとけー」…ならないと言えるか。「システムダウンしました!」「戦後の保険データが全部消えたぞ!」「業者にサルベージを依頼しろ!」「サルベージ料10億!」…有り得ないと思えるか。だから一番安全で経費を掛けない改変方法は、システムはそのままで「天引き金額をめっちゃ安くする」事なのだ。これなら数値を変えれば済む。そんな訳で、思想も理念もなんもなく、ただ「無駄金を使わない」という観点から私はバッポンテキカイカクより、単なる値下げを推奨しますね。ちなみに涙ながらに「1日も早くこの制度を廃止に!」と誰かが言っておられたが、「何月何日までに!」とは言ってないから、その「1日も早い」がいつなのかは今の所誰にも分からないのだった。

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それでも私の町が好き。

えー、今週うちのちーさな町の広報が色々届けられました。名は一応伏せますが千葉の田舎です。(^^)立派な、56ページもある分厚いパンフレット。「町勢要覧」だから発行しなきゃいけないものなんどろうけど。…写真綺麗だなー。こんな綺麗な町だったっけ。見開きトップの、名物の川と橋の写真は「北京か」と思うくらいボカシが掛かってます。駅の写真はうまい角度なので、プラットフォームがすごく広く見える。しかし、実はいまだにスイカが使えない。(^^)川の下流の釣りの名所…なにこの青さー! こんな青い○○川なんて見た事ねーぞ!という訳で、お見合い写真や選挙ポスターくらいの修正はあるが、まあ田舎なだけに花の名所も多いし、自然だらけだし、嘘って訳ではない。何と言っても野菜他の食品が安い。許してあげよう。

この本の最後の「財政の収支決算」によると、町の歳入が92億4500万くらい、歳出89億くらい。立派な黒字に見えるが、実は「依存財源」が51億7千万ある。依存というのは噂の地方交付税とか、国から貰ってる分ね。自主財源が40億7千万だから、つまり半分以上が国からの援助だ。(^^)これも「国が金を集めて地方に配る」というシステム自体がいけないので、収入は地方で賄えばいい、という説もある。オザワなんかは明白にそう言っている。でも、うちのように農業以外収入の目玉の無い地域は、それをやって収入が増える事はまずないと思う。今の所ゴミの収集も週2回、休日でも来てくれるし、町の合併の時、主要機関がほとんど元隣町に取られた(うちの町の方が格段に発展してなかったもんで…)以外は、そんなに行政サービスが低下したとは思ってないが。というより、元々行政サービスのいい町じゃなかったが。これで政権変わって、システム変えられたらどーなるのかと不安ではある。東京の人間は車使わなくても生きていけるし、銀行作るほど金余ってるから、(^^)国に見捨てられたらオワリかも、という感覚はないだろうな。

町内の広報ではずっと「暫定税率を維持しましょう!」と訴えていた。町の道路工事の半分がこの「道路財源の金」らしいから、切れるとオオゴトなんだろう。で、めでたく(?)ガソリン税が再開したので、おーよろこびで上記の立派な小雑誌作ったな。という感じである。実際、ここらの住民の要望は、こんな税金騒ぎなる前はほとんど「どこそこに事故が多いからカーブミラーを」「信号を」といったものが主だった。それも当然道路財源。でも、こんな状況になったから今は大変化してるかも知れない。もっとも、うちの近くは道より「まだ光通信が来ない」騒ぎの方が問題になってた。ちなみに今は「すごーく近付いた!」けど、一番ネットが欲しかった人の家の手前でケーブルは止まってる。(^^;)これはNTT財源なのでどうしようもないが。まあ、「地方がせこいレベルで道路関連の整備を必要としていた」のは本当だ。しかし「町のバス」が実質上1日2本で、しかも通勤通学時間帯を外れてて、(高齢者の病院通い使用が主らしい)しかもぐるっと大回りし、たとえば私んちから駅までの4キロの道に30分以上掛かる…とか、人間が誰も歩かない農道が広く美しく整備され、歩かないと言ってるのに延々とガードレールと歩道が伸びてる…とか、他に言いたい事はある。あと、何年か前にこっちの町まで高速の出入り口が伸びたんだけど、資料によると「1日の平均交通量3,657台」と出てる。…少なくね? 実は、その手前のインターで降りるのと比べ600円くらい高くなるんだ。所要時間の差は10~15分という事だから、相当急いでない限り人は高速代を節約する。確かに便利にはなったけど、価格設定が高過ぎて現実にはあまり役立ってない高速工事の例。何をやっても使用者の現実の行動が読めてないから、無駄でない筈のものまで無駄に見える。

千葉は「東京への道」という縦線を熱心に整備するが、町から町へという横線の整備がまるでない。だから本当に必要な場所へ行くためには、どうしても車に頼らざるを得ない。道路予算がない!と騒ぐ以前に、そもそも地域が発展するような交通ラインを把握してないんじゃないか。何十年もこんなだった地方が、国に手を離されて急に「バッチリ町民の為になる金の使い方をするようになる」だろうか。暫定税率の廃止に、地方の…町民でなく行政は多く反対した。すぐ「リケンだろう」とか言うが、うちみたいに何工事してもそんなに利益の出ない地方はそれだけじゃない。単に、「資金を有効に応用する」知恵がないから、「貰って作る」しかできない体制になっちゃってる、としか思えない。野党も、あれだけ騒いだのにどうして地方の責任者たち(ヒガシコクバルさんとか)を説得し、「廃止賛成」にさせられなかったのか。彼らが、「なるほど、暫定廃止にしてもうちの地方は大丈夫ね♪」と思えるだけの材料を出せなかっただけではないのか。何にしろ、無計画に現状維持するのも不条理だが、無計画に改革するのも危険だ。

ほんとーは、カクエーさんの時代から今まで予算取ってたんだから… もう全国の道路整備はいくらなんでも終わってなきゃおかしいんだよね。要するに「儲からない田舎の整備は、何のかんの言いながらずーーっと先延ばししていた」からこんな事になってるの。今まで本当にマジで役立つ道を作ってたら、ここまで国民の怒りは買ってない筈。いくら税収が復活しても、このままでは永遠に忘れられそうな、時空の穴みたいな地域がこの国にはまだ無数にある事も知っておいて欲しい。

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2008年5月 4日 (日)

今、一番空いてる場所

マツダが、上野国立科学博物館で「ロータリーエンジン車発売40周年展」を開催してるという。本日、値上がりしたガソリン代にもめげず上野まで行ってみた。…入れなかった。(- -;)なんか博物館、専用の駐車場がないらしく、近辺の百貨店の駐車場を利用するらしいのだが、その入り口のある細い裏通りをほぼ占拠し、ずらーっと車が並んでいる。到着が昼過ぎたのが悪かったのか。(- -;)朝一で上野へ駆けつける熱い心が必要だったのか。(- -;)…まあ何よりGWに行ったのが間違いだろう。6月までやってるからまだチャンスはある。(いつ行っても状況同じだったらどうしよう…) ところで科学博物館のHPで調べたら、どこにもサッパリこのイベントは載ってない。もっと探せば出て来るかも知れんが、基本こんなに情報が分かりにくいようでは、博物館の目玉って訳ではなさそう。…ファンがこれ以上殺到したら困るから伏せてるのかな…

ここを抜けたら上野動物園も背後に去っていく。今行っても「さようならリンリン」と記帳せねばならんし、戻ってまで行こうかという話にはならず、結局マツダのディーラーで1ヶ月点検しただけで夕刻が近付いて来た。このまま千葉に帰っては虚しいから、取り合えず「東京見物」して帰る事にする。で、向かったのが「国会議事堂」。そーいや通りすがりに風景として眺めるだけで、じっくり見た事なかったから一度見物したかったのだ。今色々とねじれたり、格闘したり税金上げたりしている国家の騒ぎの中枢だものな。「せめて壁にケリくらい入れて帰りたい」と言ったら、「警備員に連行されるからやめろ」と言われた。それはそーです。乱暴を働いてはいけません。皆さんも心を穏やかに持って下さいね。

Gijido 上野は皇居が近いので樹木が多い。ただの個人宅や旅館の庭にまで、森林のようなぶっとい木が生えている。歴史があるんだろうな。国会議事堂近辺も道が広々として眺めはよろしい。なんたって休日だ。通行車両もほとんどなく、議事堂前にも少人数の観光客がいて写真を撮ったりしてるだけ。至って平和な光景。ここでフクちゃんが歩いたり、どっか党がプラカード抱えて廊下を塞いだりしてるとはとても思えない。大きな門の前から見ると、そこは何より「学校」に似ていた。朝になると車で(多分大半は(^^))通学し、一日中ホームルームやったりサボったりし、夕方帰って行く学生か。あまりにフケ過ぎてるのと、多過ぎる学費を税金から貰えるという点がだいぶ違うが。で、近くで見て初めて発見したんだけど、広い門の右側には「参」「議」「院」という文字プレートが貼ってある。左側には「衆」「議」「院」の文字が。するってーと参議院議員は門の右から、衆議院議員は左から入るのかな。でも、入ったらおーきな同じ前庭に出るだけで、別に道が二つ付いてる訳じゃない。どっちから入っても結局同じ場所で混じるのに、中ではねじれて分断する衆議院と参議院てやっぱ変。(^^)ちなみに「国会議事堂」という統一タイトルのプレートは何故かどこにも見当たらなかった。私が見落としたのかも知れないが、もし無いならこの際貼ってみたらどうだろう。両党が一致協力できない原因はこれかも知れないぞ。大きく貼れば少しはまとまるかも知れない。

という訳で、本日はさしたる楽しいイベントもないまま家に帰りました。東京でたった一つ、いまだ131円のガソリンスタンドを見た、とドライバーのやまくんが主張したのだが… 帰りがけに見たら167円になってたから幻覚だったのかも知れない。

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2008年5月 1日 (木)

60億って何円ですかー

突然ですが。10億円て凄い金額、大企業の収入くらい…と思うのに、たった一人の公務員が2年間の競艇でスッちゃえたりするんだよね。こないだの香港のインサイダー取引の利益が500万だそうだ。なんだ競艇の5%かい、と思うと、巨額なお金の金銭感覚ってほんと、ただの庶民には訳が分からない。59兆ってどのくらいかと言うと、59にゼロが12個。(だよね?)「10億円もの無駄遣いが発覚した!」という場合、10億がゼロ9個(だよね?)だから、10年間の道路予算の…1.7%割る1000で、0,0017%…道路予算から見たら目ヤニ程度かい。巨額に関わってる人間がマヒして、「そのくらい大した事ない」と思い込む訳だね。イワシ6本が169円か225円かで深刻に悩む人間には計り難い世界だ。

いや…この間から、「この国の無駄遣いの金を、足りない所に埋めたらどのくらい埋まるのか」真剣に考えてたんだけど、なんせ細かい国家予算なんて知らないし。(^^)こーいう恐ろしく膨大な会計だし。(^^)まるで感覚的に分からない。大抵の庶民は分からないと思うが、最近政治家も分からないんじゃないかという気がしてきた。経済関係の古狸の方や首相経験者なんかは分かるんだろうが、1年生議員とかもいるからね。…「ここのお金が毎日60億も足りないんです!」と言われたら、「そりゃ随分足りないから困るだろうなあ」と素直に思うが、それって本当に凄く足りないのか。ちょっと予算をいじれば何とかなる額なのか。「国交省がそんなに無駄遣いしてるなら、その金を補填すればガソリン税なんか取らずに済むだろ!」と思うのが庶民の人情だが、本当はどーなのか。足りるのか実は微々たる物なのか。特殊法人に補助金出してるたって、毎日出してる訳じゃないだろうしな。

まあ…またガソリン税が上がったお陰で、ドライバーは毎日否応なく1リッター25円払わされるハメになった訳ですけど。ある資料を見たら、日本の車両保有台数は7千万台以上であった。どの車も毎日給油するとは限らないが、仮に半分くらいがガソリンスタンドに寄るとしたら、4千5百万×25円で1リッターあたり11億2千5百万の収入だ。みんな20リッター(^^)として225億ですか。すげーな。ほんとは放置自動車や、ガレージから出て来ない車も多くあるだろうから、実際の給油数はこの10分の1くらいかも知れない。(注・単なる当てずっぽうですからね)それでも日々数十億くらいは国民は税金払ってる事になる。日々ですよ。その財源があって、ようやく国が回ってたのだとしたら、確かにちょっとやそっと無駄遣いを埋めても追いつかないわな。でも、もし道に1万円札でもヒラヒラ舞ってたら、誰でも目を血走らせて拾いに行くだろう。(もちろん私は行く)国民の「無駄遣いしてるなら税金返せよ!」という気持ちはそーいうものだ。「無駄遣いをやめて、本当に国民の役に立つ事に使ってくれるなら、税金取っても構わない」という立派な意見にも、「国民の役に立つ事…私の元に1枚ヒラヒラ落ちて来るとか…」という儚い夢想が込められていない、とは言えない。

「もし」本当に無駄遣いを国民に返してくれるとしても、あっちもこっちも足りない所を全部埋めるのは多分無理だと思うのだ。もちろん私にはちゃんと計算なんかできないけど。だから、「取り合えずどこかだけ助ける」のだとしたら、高い保険料も大変だろうが、まず「軽油だけでも暫定税取らない」というのがいいのではないかと思った。小麦なんかの材料の値上げもあるだろうけど、何でも値段が上がってる大きな原因の一つは輸送費だろう。トラックが安く走れれば、その分全ての物価が(ビミョーにだろうけど)下がるんじゃない。全国民に平等に税金を返すならこれが一番いいのでは。「ガソリン税取りません!後期高齢者保険料取りません!消費税25%!」…というのが、私の思い浮かべる最悪のシナリオだな。(T^T)

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