ノーベル賞に向かってワープだ!
ttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081007-00000018-maiall-soci
とってもおめでとうございます。(^^)そう言えば昔、南部先生の本を読んだような読まないような…と思って本棚を探したら、あったありました。昭和56年初版のブルーバックス「クォーク 素粒子物理の最前線」! 昭和56年ですよ。読んだ当時どうだったか!…難し過ぎて頭まっしろ。で、今ならもう少し分かるはず!と再読した。…数ページ読むごとに熟睡。(^^)学生時代の教室に戻ろうとして道に迷う、という分かり易い悪夢まで見てしまった。ノーベル賞の報道で、この先生の何がすごいのか分かった日本人は何人いるのかなー。ちなみに前述の本は、受賞対象の「自発的対称性の破れ」の研究については少ししか触れてない。でも、おーむかしから提唱されていて、その方面の学生あたりにはもう常識となっている事柄。受賞が遅過ぎたというのは本当だ。クォークなんて概念はその頃からあったのに、今でも大半の一般人は何の事やら分からない。ネット検索したらクレジット会社の名前が出るくらい。(^^)そういう私も確かに分かるほどカシコクはないから…ちょっと「物理の本にハマった思い出」を書いてみる。
ブルーバックスなんか読むようになったのは、SF小説やSFアニメに出て来る現象がどのくらい本当なのか知りたかったから。もっと簡単に言うと、「ワープってほんとに出来るの?」と思ったからだ。だから、アホでも分かるように親切に解説してくれてる(^^)相対性理論の本なんかが主だった。それがどこで間違えたのか、素粒子物理や不確定性原理の本にグラッと来るようになった。実は、都筑卓司先生の本のファンになったのだ。何故ならこの先生、文が分かり易い上に、オリジナルのSFショート作品が付いてたり、巨人の星の大リーグボールを素粒子に喩えたり、そりゃー楽しめるように書いてくれていた。大体、私らの子供の頃は「物質の最小単位は原子!」と習っていた。原子の概念は固いおっきな核の周りを電子ツブがぐるぐる回っている、あれ。ボーア模型というやつ。それで理解も計算も出来る…と思ってたらそーではなかった。ほんとは電子は、原子核の周りに雲のように確率的に「ぶわっと広がっている」のである。中高年はこの辺りですでに付いて来れなくなる。(^^)ボーアのモデルは1913年提唱、ほんとは古過ぎる。でも、「なんで電子が雲なの??」という事を理解するには、不確定性原理を齧らねばならない。それを齧って「お…面白い!」と思うか「わ…分からない!」と思うかで生き方が多少違ってくる。
で、不確定性原理には相対性理論も絡んでくるから、何の免疫もない人間が読む順番は「相対性」→「素粒子」→「クォーク」でなければならない。ここで順番を間違えると致命傷になる。私の世代の感覚でいうと、SF好きは素粒子まではどーにか付いて来た。クォークで「あっ…数式がいっぱい」と立ち止まった。そして対象性の破れ、グルーオン、超弦理論(^^)あたりで「頭どっかん!やめ」と放棄したのである。私だって…何とかしようと頑張ったが、理解はこの辺が限界だった。ともあれ私のレベルで理解してる事をまとめてみる。 ①物質は素粒子で出来ている。原子は陽子と中性子の核の周りを電子が回って…もとい広がっている。それ以外にもニュートリノとか、訳の分からん素粒子がいっぱいある。 ②坂田博士という偉い人が(追記・間違い、湯川博士(^^;))、「中間子」を発見した。陽子と中性子なんて電荷がプラスとゼロだから、ほんらいならひっつく筈が無いのに、なぜか強固にひっついている。それは何故か?というと、中間子というのをやり取りしてるから。で、このやり取りで陽子は中性子になり、中世には陽子になる。つまりこいつら自分がどっちでも良かったのだ。ザ・たっちがグルグル回って「さあどっち!」みたいなもの。(…ほんとは違う) ③ところが。陽子も中性子もそれが最小じゃなかった。実は3個のクォークが合わさってハドロン(つまり固いツブ)になっている。何故ならそう考えないと説明できない事が色々あるから。むりやり危ない核分裂!とかをさせれば、こういう陽子や中性子は別個に出て来るが、クオークは普通出て来ない。だから、理論はあっても中々証明ができなかった。 ④ところが今度、すんごい性能の加速器が出来てクォークが見付かり、証明できた。だからようやく受賞となった。(追記・正確には「クォーク自体は見付かってたが、その中でも高エネルギーでないと出ないやつが出たから」だったかな?) …こんな所だ。ちなみに対称性の破れとは、粒子が鏡に映してもおんなじ動きを「しない」という事。ふつーは対称が多いそうだ。たとえば物質にはビッタリそれと正反対の「反物質」がある。宇宙の始め、エネルギーしか無かったものが二つに別れて物質と反物質になった。だからそれらをぶつけると、先祖返りして「どっかん」とエネルギーになって消えてしまう。ところが宇宙には「どっかん」と消える物がそんなにない。なぜか?…実は対象でなくなったんだヨ、という事らしい。反物質と言えば…なんか宇宙の果てでお祈りしてる反物質の女の子…そんな触れない女に恋をした島くんはどーなったんだっけ…とか考える人は中年。(^^)
加速器とは、素粒子のビームを素粒子にぶつけて、絶対壊れないものを「オラ壊れんかい!」と力ずくでぶっ壊して粒子を調べるもの。建設にはカネも広大な土地も必要。その上、加速器は加速実験以外何の役にも立たない。(^^)それでも科学に国家的なカネと人材を注ぐ度量がないと、これ以上理論物理の分野でノーベル賞は出ないという事だ。なんたってそういう技術もマックスに来てるので。さあ、このおめでたい日本人3人の受賞があって、そして本日化学の分野でも1人受賞者が出て…これから日本は学問にカネを掛けようと思ってくれるかなー? どうせ世界的金融不安。目先のつまらん事にカネ浪費したって、セコセコ税金節約したって、それで未来が見える事はない。こういう雄大な事にどーんと力を注いだ方が、私はいいと思うなぁ。貧乏でも紙と鉛筆があれば学問はできる、と若者が立ち上がった時代があった。今は再びビンボーじゃないか。そこだけは昔に負けないから、自信を持って頑張れ若者。(^^)私はアホなので陰で応援する。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
>陽子と中性子なんて電荷がプラスとゼロだから、ほんらいならひっつく筈が無いのに、なぜか強固にひっついている。それは何故か?というと、中間子というのをやり取りしてるから。
うああ、なんとゆーかそのー。間違いではないんだが、「強い力」への言及がないので違和感があぁぁ。
>加速器は加速実験以外何の役にも立たない。(^^)
CERN に事実誤認とか言われちゃいますよー。
投稿: 犬神 | 2008年10月 9日 (木) 20時54分
犬神様・
(^^)だってー。この文字数見て下さい。「強い力」までやったら大変。あと3つあるし。でも大体、南部先生は対称性の破れだけでなくクォーク理論を詰めたり弦理論を提唱した筈。昭和63年初版の別の本にはそう書いてあります。…アインシュタインのノーベル賞も光電効果だったなあ。そういう事なんだろうか。
>CERN に事実誤認とか言われちゃいますよー。
そうですね。CERNはブラックホールだってタイムマシンだって作れるという話だし…(←事実誤認)
投稿: いくたまき | 2008年10月 9日 (木) 21時33分