ルーちゃんぎょうざ・オマケ絵本
昔、「ルーちゃんぎょうざ」というチルド餃子に、オマケの絵本が付いていた。
調べたら、今でも「ルーちゃんぎょうざ」は存在する。焼けばすぐ食べられるタイプの生餃子。商品自体はそんなに変わってないようなのに、メーカーのサイトは絵本の事には全く触れてなかった。
餃子の袋を開けると、ちーさい絵本が出て来る。そうだなータテが3~4㎝くらい。本の装丁の時に切り落とされた端財のような感じ。とじしろは糊で固まってるだけ。だから何度もめくるとすぐページが取れる。表紙には、「ルーちゃん」「ペイネちゃん」と名前の書かれた小人が二人、花か何かを抱えているイラストが載っている。青い服の小人が男の子の「ルーちゃん」、ピンクが女の子の「ペイネちゃん」らしい。中身は、オリジナルの創作童話絵本。全種類は集められなかったが、確か10話くらいあった。それぞれ別のストーリー。絵柄も文体もバラバラで、明らかに何人もの作者がいた。面白いのもそうでないのも(^^)あったが、なんせこれだけ小さい本の中に書かれているので、読むと何かの秘密を覗いたようで妙にワクワクした。
物語の詳細はほとんど忘れたが、覚えてるのは「団地の中で草原に寝転ぶと森に見えた話」、「ルーちゃんとペイネちゃんが絵の具で春の色を塗る話」、あと「扉を開けると別の世界へ行ける話」…なんかだったと思う。一番好きだったのは「空色のへび」。その名の通り空色で、尾の辺りに金色の輪っかが付いたへびが主人公。こいつが敵か何かに追われて逃げて行くと、体が青い空に溶け込み、金色の輪だけがコロコロと転がっていくのだ。イメージが鮮烈なので記憶に残っている。
絶対全種類集める!と思っていたのだが、残念ながら夕食のメニューを決めるのは子供の私でなく親だった。そういつも餃子ばかりは作ってくれない。たまに作っても、出た絵本は持ってる話と被ってたりして何度かガッカリさせられた。…やがて、袋を開けても絵本は出て来なくなった。オマケ期間が終わったのだろう。読めなかった数話がとても気になったが、手に入れる方法はもうなかった。集めた分の絵本も長いこと大事に保管していたのに、なんせそーいう装丁なので、分解していつか無くなってしまった。
今、ネットで調べてもこの「ルーちゃん絵本」の資料はほぼ存在しない。どこへ行ったのだろう。私と同じように熱心に集めてた子供も、本の作者や関わった人間もいるだろうに。もし可能ならもう一度、読めなかった分を含めて全部読みたい。ルーちゃん絵本は私の、そこはかとない記憶の風穴である。
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コメント
突然の書き込みで失礼いたします。
私も水色の蛇が好きでした・・
最後はわっかだけになってしまう・・
本も確かにあります
石畳に消えた少年を読みたかったのですが、おまけ期間がおわってしまって読めなかったです。
本当にネット探しても出てきませんね
なんだか不思議な思い出です。
投稿: まきこ | 2011年2月13日 (日) 21時33分
まきこ様・
ルーちゃん絵本をお持ちなんですか!
うらやましいです。
この絵本をもう一度読みたい、という人がもっといれば、
情報を交換したり、復刻を呼びかけたり
できるかも知れませんね。
投稿: いくたまき | 2011年2月14日 (月) 07時09分
なんだかきになって問い合わせてみました(私は暇人か・・)
いつもご愛顧の程、ありがとうございます。
お問合わせの件ですが、弊社でも昨年、創立40年迎え記念にと設立からの足跡を追ってみたのですが、
当時の冊子がどうしても見つからず、資料等も残っておりませんでした。
誠に申し訳ございません。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
本当にみんなによびかけて 読んでみたいですね。
なんだか気になる(笑)
投稿: まきこ | 2011年2月14日 (月) 21時33分
まきこ様・
お問い合わせお疲れ様でした。<(_ _)>
私はそこまでする勇気がなかったなあ…
ほんとに「ルーちゃん絵本を探せ!」みたいなサイトを作って
記憶のある人を募った方がいいかも。
メーカーにすら資料がないんでは…
いくらか、まだ現物を持ってる人もいるかも知れません。
それを集めれば、あるいは10話そろう可能性も。
取り込んだ画像のデータで集めれば、本自体は
失くしたり傷めたりしないで済みます。
資料すらないなら、きっとメーカーさんも
著作権の苦情は言わないでくれるでしょう。(^^)
投稿: いくたまき | 2011年2月15日 (火) 00時39分
突然お邪魔します。ルーちゃん餃子のミニ絵本の絵を描いていた、吉田たろうは私の父でした。私ももう1度読みたくて探していますが、巡り会えません。ミニ絵本のことを覚えていてくださる方が居られ、大変嬉しいです。
投稿: 吉田 | 2017年11月 1日 (水) 20時35分
返事が遅くなって申し訳ありません。
なんと、作者の方のお子様が!
ここを見付けていただき、書き込みして下さるとは。
ありがとうございます。
しかし、作者の手元にも残っていないとは残念です。日本のどこかに、ひっそりと保管してくれている人がいる事を願うばかりですね。
投稿: いくたまき | 2017年11月 4日 (土) 01時20分
こんにちは。toriton64ともうします。「toriton64」か、「ルーちゃん餃子おまけのミニ本」で検索していただければ、私の所持していますミニ本5冊を公開していますので、見に来てください。吉田たろうさんのお子さんにも公開の了承を得ています🍀😌🍀
投稿: toriton64 | 2018年2月14日 (水) 07時43分
toriton64様・
…ついに!本物のルーちゃん絵本をお持ちの方が出現!
書き込みありがとうございます。ブログ拝見しました。吉田先生のお子様の事もよくご存じなんですね。久しぶりに懐かしい表紙が見られました。ありがとうございます。今更ながら、ペイネちゃんでなくてペルネちゃんだったのか… それに、挿絵は全部吉田先生ご本人の作だったのですか?全部絵柄が違うので、てっきり別の作者だと思っていました。
掲載されたうち、私が読んだ事が無かったのは「空と海の詩」と「松坊主」です。松坊主は日本昔話みたいですが、どこかの伝承でなくてオリジナルでしょうか。空と海の詩は立派な詩集ですね。おまけの本だけの掲載ではあまりにもったいないです。
「かがやくのはら」「ひかりの子どもたち」は記憶にあります。「これをよんでください」も確か持ってました。自由に書き込める空白ページがあるので、「わー手抜きだ文章がないよー」とか思った記憶があります。(ごめんなさい<(_ _;)>子供心です) しかし、「松坊主」も、私の好きだった「空色のへび」も「らいぶらりぃ」の項目には入ってないですね。10種類だけでなく、もっと数多く書かれていたんでしょう。そう思うとますます全部読んでみたくなります。
「団地の中の大きな森」は、団地の小さな空き地の草が森に見える、という話、「地下室で見つけた窓」は、窓から恐竜時代が覗ける、という話だったと思います。私がちゃんと保管できていたらお見せできたのにと思うと。何か申し訳ないです。
ともあれ、お知らせありがとうございました!
投稿: いくたまき | 2018年2月14日 (水) 10時07分
早速、お越しいただき、ありがとうございました(^-^)
実は、ルーちゃんのミニ本について私も探していて、検索した際、ネットでいくたまきさんの書き込みを読んでいました。でも、「持ってる人いないんだ~」と思って、終了(^_^;)
ブログをきちんと始めたのも2年くらい前からで、自分がアップすればいいんだと思いつくのも遅かったんです。
空色のへび、団地の中の大きな森、地下室で見つけた窓、どれも読んだことがありません。読みたいです‼他にも持っておられる方がいれば、是非公開してほしいですよね。
投稿: toriton64 | 2018年2月15日 (木) 06時54分
ルーちゃんらいぶらりぃ全部持っています。1カンカンとランラン2団地のなかの大きな森3地下室で見つけた窓4少年のペンダント5海にきえた少女6空と海の詩7かがやくのはら8子ねこのルルのいねむりうた10これをよんでください(ペルネとルーちゃんのラブレター)。背は糊が茶色に変色してますが、綺麗に保存してます。2.7.8.10は複数あります。
投稿: はなだ | 2018年10月29日 (月) 20時44分
あまりネットは不得手です。
投稿: はなだ | 2018年10月29日 (月) 20時47分
はなだ様・
驚きました。ちゃんと保管してた方がいたんですね。
羨ましいです。見てみたい!
…とはいえ。ネットは苦手でいらっしゃるとのこと、
どこかにアップして頂くのは難しそうですね。
とても希少本のようなので、どうか
これからも大切に保管して下さいね。
投稿: いくたまき | 2018年10月30日 (火) 18時36分
ありがとうございます。吉田たろうさんのお子さまにお渡しできたらと思っております。連絡がつけたら嬉しいです。
投稿: はなだ | 2018年10月31日 (水) 22時51分