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2011年2月19日 (土)

記憶喪失を知らない子供たち

母がマンションの管理人を始めた頃かな。まだ、マンション自体が珍しくてそこでよく遊んでいた。…と言っても人が住んでいる部屋の前で騒ぐ訳にはいかない。屋上や外周である。屋上に出るフロアには、ベンチなどを収納してある待合室のようなスペースがあった。屋上自体は吹きさらしで何も無いし、誰も来ない小部屋なのでちょっと秘密基地(^^)のような風情もあったから、一時期は友達とよくそのフロアに入り浸っていた。

その日は「無人島漂流ごっこ」か何かをしていたと思う。その頃は翻訳された「15少年漂流記」がよく読まれていたし、そういうアニメや海外ドラマもあったから、「無人島に漂流」というのは子供にも分かりやすい設定だった。まして当時の私は漂流物が大好き。「大きくなったら無人島に漂流しよう!」という完全に現実を見誤った(^^;)ロマンさえ持っていた。…で、「無人島に流れ着いた」という設定の私がはっと目覚める。周囲を見回す。

私「ここはどこ? 私はだれ?」

しかしツッコミが入った。「ちょっと待って。なぜここにいるの、と思わなきゃ変じゃない?」…それはそうだと納得し、テイク2。

私「ここはどこ? 私はだれ? なぜここにいるの?」…今度は別の友達からツッコミが。「今日が何日か、も分からないんじゃない?」…仕方ない、テイク3。

私「ここはどこ? 私はだれ? なぜここにいるの? 今何日?」…しかしリテイクは終わらない。「記憶喪失なんだから、自分の家とか、年とかも忘れてるよね」「なぜこんな事になったの、とかも聞いた方がいいと思う」「あと、これからどうしたらいいの、とか」…

その後。私のセリフはどんどん長くなっていったのだった。はっと目覚めては、友達の言う項目を付け足していくので際限がない。

私「ここはどこ? 私はだれ? なぜここにいるの? 今何日? 私の家はどこ? 私は何歳? これからどうしたらいいの? 食べるものはあるの? 他に誰か住んでないの? ここはどこの国の…」もう記憶も定かでないから、詳細は当時と違ってると思うが…まーそんな風に、およそ「記憶を失くしたら疑問に思うであろう事」を全部並べるハメになったのだ。(- -;)なんか記憶力ゲームに似ている。何項目まで暗記したのか、どーやってこの事態を終了させたのかはもう思い出せない。ともあれ、終わった時はゼーゼー言って「記憶喪失って大変だなあ」と思ったのだけは確かだ。

幸いにしてこの年まで記憶を失くした経験はないが、不慮のうたた寝をしてハッと目覚め、寝ぼけてしばらく自分が何をしてたのか思い出せない事は時々ある。そういう時は「ここはどこ?」とも「私はだれ?」とも思わない。「あー……何だっけ。何か食ったっけ。まーいいや」くらが関の山である。人間、あまり自分を問い詰め過ぎてはいけないと思うんだな。(- -)

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