白銀のロードスター。
その当時の事を私はほとんど忘れているので、一緒に目撃したやまくんに確認しながら書きました。(^^)
私は生涯でスキーに行った経験は一度しかない。その時の目撃談である。…ある冬、漫画同人「Sグループ」の有志は、長野の某スキー場に向かうため、つるんで高速を走っていた。機動力、行動力のない私も、やはりSグループのメンバーで車好きの「やまくん」と当時うっかり結婚していたので、彼の車に乗せられて同行する事になったのだ。その往路で彼らの目を引いたのは、この寒い冬場にフルオープンで走っている一台のロードスターだった。車好きの多いSグループのメンバーは「いやあ、根性あるなあ」と感心。蛇足ながら解説しておくと、ロードスターというのはMAZUDAのスポーツカーで、天井部分を完全に外す事ができる。つまり滑らかなボディにフロントガラスとシートだけが突き出している形状になる。スマートだが完全に吹きさらし。ボディの中、座席部分だけが凹んでいる状態な訳だ。まさに風と一体になって(^^)走るので、冬場にフルオープンにする人間はあまりいない。勇猛なロードスターはSグループと同じ方向に彼らを追い抜いて行った。
やがてSグループはスキー場に到着。駐車場には、例のロードスターがフルオープンのまま停車してある。やはり同じこのスキー場に向かっていたのだ。「おいおい、このまま停めてて大丈夫か」という声が上がったが、知り合いでもないし別にどうも出来ない。それはさておき、Sグループ一団はスキーの準備をして、やがて楽しくゲレンデで滑り始めた。…ちなみに私個人の事は聞かないで欲しい。(^^)全くの初心者で、ズボズボ雪に突っ込んだ記憶しかないからだ。そんな訳で、昼頃は天候も良く快調だったが、夕方になると空が荒れ始めた。吹雪いてきたのである。空はどんより暗い灰色になり、雪で視界が悪くなった。これはいかんといのうで、我々をはじめスキー客の大半は麓の施設まで降りて来た。リフトが止まった、という話が流れた。スキー場の職員があわただしく周辺を走っている。
その時…Sグループ一団が見た物は、あの駐車場のロードスターが雪に埋まっている姿だった。
くどいようだが、フルオープンのロードスターは滑らかなボディの中、凹んだ座席部分が露出している。つまり子供用の「プール」、もしくは「箱」にそっくりなわけだ。(^^)オーナーはまだ戻って来ていない。吹雪は遠慮なく、座席部分にどんどん降ってはずんずん積もる。座席の「箱」はたっぷりの雪で埋まっている。これ…オーナー帰って来たらどーするつもりなんだろう… 掘らなきゃシートもハンドルもアクセルも出て来ない… つーか、もしこのまま雪が溶けたらそのまんま「プール」になるのでは… Sグループのメンバーは、だからと言って他人様の車を追跡調査する訳にもいかないので、謎を残したまま帰路に付いたのだった。
当然、その後の事は分からないが、やはりロードスターは暖かい、乾燥した季節に、風に髪をなびかせて乗るべきネ、というのが結論だろう。…でも、私にとって最もショッキングだったロードスターはこれではなかった。(- -)その後のバブル期、私が家に帰って来ると、突然新品のロードスターが家の前に停めてあった事があったのだ。マイカーは既に2台あるのに。やまくんの首を締め上げたら、MAZUDAの営業さんを断れなくて…とかボソボソぬかした。いくらバブルだからって。しかも私に断りもなく。(- -;)…もうあの経済状況に戻る事は二度とないだろう。人間、身の丈にあったカーライフを送るのが一番です。
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