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2011年2月 3日 (木)

赤玉鉄砲の悲劇。

今の子供たちは、もう玩具のピストルを撃ち合って遊んだりはあまりしないだろう。いかにも親や学校や「こめんてーたー」がこぞって批判しそうだし。その代わり、いい年したオッサン達が森の中で玩具の銃を撃ち合ってたりする。それも最近は下火かな。

今、安いモデルガンを買うと大抵オレンジのプラスチックの玉が付いて来る。一番廉価のBB弾だ。これを家の中で撃つと、散らかって拾うのが大変だ。放置したら踏ん付けて痛い。だからって屋外で撃てば燃えないゴミになる。昔使われた「銀玉」は、あれでも中身は土だそうで、野原で散らしても自然に帰るんだそうだ。進歩は退歩だな。…私が子供の頃、近所の男の子の間ではそういうのが主流だったが、いつからか銀玉でなく「赤玉」が爆発的に流行り出した。赤玉。それは玉ではなく、赤い紙の間に粒状の火薬を挟み込んだシートである。つまり見た目ピッ○エレキバンみたいな感じ。私は一応女子(^^)なので、直接買った事はない。ネットの資料、および連れ合いのやまくんの証言によると、この赤玉には一列に繋がった「巻きタイプ」と「シートタイプ」の2種類があった。巻きタイプは順送りで連射が可能。だが火薬の爆発力はやや弱く、過激な方が好きな悪ガキはシートを好んだようだ。これを使って引き金を引くと、もちろん実体としての弾は出ないが、金具が打ち付けられて火薬が爆発し「パーン」というリアルな音が出る。ほのかな硝煙の臭い。…実際、テレビで銃撃戦の場面を見ても弾が飛ぶ所なんか分からないし、音や煙、臭いの方がリアリティはあるだろう。当時の男の子はワクワクしたに違いない。…いや、私も一度いじってみたかったんだけどね。(^^)女の子が「おかーさんピストルと火薬買って」は中々言えないじゃん。

やがて、この赤玉遊びはエスカレートした。野原で缶や何かを置き、パーンといわせている男の子の姿を時々見かけた。どうやら赤玉をほぐし、火薬を取り出して使うようになっていったらしい。赤玉の小分けの火薬では物足りなくなり、分量を集めて爆発させていたわけだ。無論危険だ。でもガキなら考えそうな事ではある。…やがて、突然「赤玉」を使う事が学校で禁止された。近所の駄菓子屋や玩具屋から赤玉が消えた。詳細は知らないが、噂によると事故が起きたらしい。誰かが、ビンの中にほぐした火薬を大量に詰め、爆発させたのだ。子供用の弱い火薬とはいえ、集めれば、そしてビンで密閉すればかなりの威力になったんだろう。ビンは破裂し、破片が飛び散った。そして爆発させた子供は片目を失明した、と。

今時こんな事故が起きたら、凄まじくマスコミが叩いて社会問題になるだろう。でも、当時は噂と共に赤玉だけがひっそり町内から消えていった。…ほめられた事件では全くない。でも「火薬なんか売ったメーカーの責任だ!」「ほぐして使った子供が悪い!」「親の教育が!」…みたいなうっとーしい騒ぎが起きなくても、子供たちは「火薬って恐いんだな」という事を、変な使い方をすればどうなるかという、その物理的な威力を身をもって実感した。社会がずさんで危険が身近にあったからこそ学んだ事は多くある。やたら「危険の情報」自体を叩き潰し、隠蔽する社会の方が子供にとって良くないと思うのは私だけだろうか。

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