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2011年2月11日 (金)

ドクダミは毒じゃないんだが

小学校に上がる頃、私は母方の田舎に預けられた。

我がおかんはバリバリの関西人のくせに、格好つけて当時の私に標準語を仕込んでいた。その状態で、突然ど田舎で暮らす事になったのである。小学校に入ると、私はすぐ「言葉が変だ」と言われて同級生たちにからかわれた。…変なのはどっちだよ。(- -)と言い返す知恵もまだない。生まれたのは大阪の下町なので、田舎の自然物に対する知識も全くない。とにかく周囲から浮いてたらしく、悪ガキからすると、こんなからかいがいのある奴はいなかったようだ。通学路のあぜ道近辺に、よく「ドクダミ」が生えていた。なんだかおしべだけが大きい異様な花。その見かけと「ドクダミ」という名前から、私はこれが毒草だとすっかり信じ込んでいた。それがおかしかったらしく、悪ガキは「こんなの無害だよ」とはちっとも教えてくれず、下校途中なんかにドクダミを持って「ほーら毒だぞー」と差し出しながら追い掛けて来た。私は泣きながら必死に走って逃げた。(- -;)…何も知らないというのは不幸な事だ。

それが毒草でなく、漢方薬で使う薬草だと知ったのは随分後だった。そうは思っても、なんせ原体験が原体験だから好きにはなれなかった。しかし田舎で暮らしたのは1年足らず。その後はまた大阪に越し、ドクダミなど生えない住宅街で母親と同居になったので、そんな植物の事は長い間忘れていた。…しかし。多分私が中学生くらいの頃。母親が突然、「今日からこれにするからね」と言っていつも飲むお茶を変えた。なんか、やや臭気があるような甘いような変な味。…それは「十薬」。ドクダミを煎じたお茶だったのである。

逃げて逃げ回っていたドクダミが、年月を経て追い付いて来た感じ。…でも毒ではない。逆に十薬というくらいで、十もの体にいい効能があるのだ。…とは思うのだが、なんせ私の母親、一度やり始めると徹底するタチだった。それからうちで飲むお茶は全て十薬だった。冷蔵庫で冷やしてあるのも十薬。熱いのも十薬。だからお茶漬けも十薬。…味が変だ。そして学校に持って行くお茶も。今はどうだか知らないが、私の頃は学校にはジュースやクーラーなんて洒落たものは無かった。夏場は容赦なく暑い。だから多くの生徒がピッチャーに入れたお茶を、冷凍庫で凍らせて学校に持って来た。少しずつ溶ける冷たいお茶を飲むのである。無論私の持って行くピッチャーの中身は…十薬。こういう物を持参しても、あまり暑いと生徒たちは授業が終わる前に飲み干してしまう。友達のお茶が残っていたら貰ったりして飲む。私も「お茶くれる?」と言われた時、自分のお茶を友達に飲ませてあげた。その頃はもう十薬にマヒしていて、それが普通と思っていたのだ。…が。一口飲んだ友達はそれは変な顔をした。「これは十薬といって、体にいいいんだ」と説明したと思うんだが…二度と友達は私のお茶を貰わなくなった。(^^)十薬は本来薬であってお茶ではない、という事に私は改めて気付いたのだ。だからって「ほーらドクダミだぞー 体にいいぞー」と言って友達を追い掛け回したりは…もちろんしなかったが。

やがて、母親は飽きて普通のお茶に戻した。月日は流れ、結婚してから母親がこの十薬をたっぷり送って来た事があった。「高血圧に効くから飲みなさい」と言って。…私は低血圧なんだが。(^^;)それに、サイトで調べたら十薬は動脈硬化予防や利尿に効果があるのであって、血圧低下は書いてないんだが。まあ、ひょっとしたらあの頃の十薬のおかげで今も元気なのかも知れない。

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