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2011年3月 3日 (木)

手書きラインアート・スピロデザイン

私が子供の頃、オモチャも非常にバリエーションが豊富だった。まあ子供が多かったせいもあるが、「よくこんなの思い付くな」と思うようなアイデアが満載。面白くてキラキラしたCMがテレビを飾り、オモチャ売り場はチンチンガーガー稼動音がやかましく、子供たちがプラレールや動くぬいぐるみのいる広場にたかっていた。…でもファミコン発売以来、ほとんどがゲーム機になっちまうのよね。(- -)これは進歩じゃないと思うなあ。発想を刺激されない今の子供が可哀想である。

もちろん、全ての子供が全てを買ってもらえた訳ではない。(^^)すごく欲しかったのに買ってもらえなかったのが「ネオンブライト」。穴に透明プラスチックのピンを挿すと、後ろに光源があってネオンのように輝く模様が作れる。…高かったのかなあ。大ヒット商品だったらしく、進化した復刻版も出たようだ。あと、友達の家にあるからいーや、と思ってたのが「ツイスター」。色の丸の描いてあるただのシートだ。ルーレットで指示された場所に手や足を置く。姿勢がむちゃくちゃになるので、仲間とやるとかなり笑える。…買ってもらって結構遊んだのが「パーフェクション」。変な形のブロックを、同じ形の穴の中に制限時間内にはめ込む。タームオーバーするとバン!と全部飛び出す。面白いんだが…何度もやると穴の位置を覚えちゃうので、そのうち飽きた。そして、無理言ってよーやく買ってもらった、何とも謎なオモチャが「スピロデザイン」だった。

黄色の平らな、箱というか板である。上部は透明な蓋の付いたボックスになっていて、そこに大きさの違う歯車が4つ、赤と青のボールペンが2本入っている。…「板」本体には丸い大穴の開いた、これも透明の上蓋が被さっている。この「丸い大穴」が肝心なのだ。円周がやはり歯車の歯になっていて、ここに4つの歯車のどれかをはめ込む。歯車の方にもいくつもの小さい穴が開いている。…本体と上蓋の間に紙を挟み、歯車をセットし、小さな穴にボールペンの先を突っ込んで、描きながら円周に沿って歯車を回していく。すると、ある周期性を持った何とも不可思議な曲線が大穴の中に描かれていく、という訳だ。高等幾何学の問題のような。(^^)「円Aの内周を小さい円Bが回転した場合、円Bの中の任意の点Pはどのような軌跡を描くか」…だな。文章にしちゃうと難しいが、アホでもグルグル歯車を回しさえすれば、それを目で見る事ができる。

綺麗な曲線なんて描けるもんじゃない。やや成長し、親からもらった雲形定規(…なぜ持ってたんだ、親)で描いたって、元々の曲線がそんなにカッコ良く出来てない。更に成長して買った「自在定規」なんて全く自在にならない。(^^)…でもこの「スピロデザイン」で描く模様は実に美しかった。当時まだ夢の彼方だった「コンピュータ」の仕事のような、理数系の匂いがした。それをガキの自分が手で描けるのである。なんとなく「理数的」になった気もしてくる。しばらく夢中になった。どの歯車のどの穴にボールペンを入れたら、どんな模様が出来るか。慣れてくるとある程度覚えた。気に入った曲線を描く穴だけ、妙にインクで汚れていた。大歯車の外側の穴だと、ガーベラのように端がビロンビロン伸びる。中歯車のある穴を使うと、中に隙間のない鞠のような円が出来る。小歯車のある穴は、描くと毛糸玉状の線が組まれる。…でも。「だから何?」と考え始めると…どーしよーもないのなコレ。(^^)基本「円形の何か」が描けるだけだから、イラストに応用しようにもしようがない。何かになりそうなのに…ならんなー…と、悩んでるうちにボールペンのインクが切れてくる。「別のを使えばいいじゃん」と思ってはいけない。実は、セットに入ってるのは専用の特殊なボールペンなのだ。ペンの中のインクの芯の先が異様に長いの。(^^)長くない普通のボールペンだと、歯車の厚みを通過できず、先が紙に届かないのだ。…これは盲点だったなあ。普通のボールペンから芯を出してやってみたけど駄目だった。何か引っ掛かる。そんなこんなで、私はスピロデザインを卒業した。(- -)

今、「復刻版」として安価なスピロデザインが売られている。板定規みたいなもので、中に穴が開いていて歯車も付いている。だいぶ前に懐かしくて買ったけど…サイズが小さいから。(^^)昔の本家ほど複雑なバリエーションは描けない。でも、逆に大サイズしか描けない本家と違って、ちょこっとカードに模様を描いたりするにはこの方がいいかも知れない。ただ…どんなにこれでグルグルしても理数力は上がらないぞ。体験した私が言うのだから間違いない。(^^)

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