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2011年3月 4日 (金)

鉄板怪談・これが「出る」ホテルだ

やまくんサラリーマン時代。その頃、彼はよく北に南に出張していた。…ある出張で九州のホテルに泊まった時の話である。タバコを吸わないので、彼は禁煙室を予約していた。夕食の前に荷物を置こうと、彼は早めにチェックインを済ませ、フロントで鍵をもらって部屋に入った。

チェーンの位置が変だ。ふと見ると、ドアに鍵を付け替えた跡がある。

こ…これは! そう、部屋で何か事件があり、鍵を壊して入った証拠ではないか。…ちなみに、ホテルなどで「部屋に幽霊が出るかどうか」を調べる方法が二つあると言われている。一つは、額や家具の裏にお札が貼られているかどうか確かめること。そしてもう一つが、鍵に付け替えた跡があるかどうか確かめることだ。ただお札は巧妙に隠されている場合があるので、事故物件かどうか確かめるには「鍵の付け替え」を調べる方が確実なのだそうだ。…すごく明白な証拠を見付けてしまった。やまくんは「よもや」と思って部屋を見回した。額は…ない。じゃあお札はないのか。少し安心したが、鏡が掛けてあったので念の為めくってみた。すると…

鏡の裏に、何かが赤い字で書かれた怪しいお札がドンピシャで貼ってあった。

うわぁ!…あわててその辺りを見回すと、今度は床のカーペットに気が付いた。一部分だけ色が違う。カーペットを張り替えた跡だ。当然…カーペットが、掃除では取れないほど「何か」によって汚れてしまった結果だろう。つまり、彼は「この部屋で事件が起きました。オバケが出ますよ」という証拠物件を、ご丁寧に3つも発見してしまったのである。しかし、予約までしておいて今さら「部屋を変えてくれ」とは言えない。…なあに、一晩泊まるだけだ。今からお客さんと飲んで、帰って来てバタンと寝てしまえば大丈夫さあ。常に前向きなやまくん、それからすぐに食事に出掛け…夜遅く、再びその部屋に帰って来た。

深夜のホテル。休んでいると、「コンコン」と部屋をノックする音がした。

ガチャッとドアを開けるが誰もいない。…もちろん、特に友人もいない出張先で、しかも深夜にホテルに訪ねて来る人間などいる筈がない。非常階段が近い部屋だし、風かな…? でも、それは風でガタついたような音ではなかった。明らかに何かがドアを「叩いて」いるとしか思えなかった。

「コンコン」…再びノックの音が。開ける。…誰もいない。だぁーもう嫌だ!! その後やまくんは部屋の電気を全部付け、テレビを大音量で流しながら一晩を過ごした。幸い、それ以降怪異は起きなかった。…朝。やまくんは「あの部屋で何か事件があったんですか?」と、ダイレクトにフロントに尋ねてみた。しかし、フロントは要領を得ない顔で「いえ、何も…」と答えるだけ。鍵の付け替えや不自然なカーペットから考えても、ほんとに何も無かったとは思えない。おそらく、事件のことを何も知らない人間をフロントに置いているのだろう。これでは真相は調べようがない。 

…恐い出張をどうにか乗り切ったやまくんだが、再び災難が彼を襲った。また同じ場所に出張を命じられ、同じホテルに泊まる事になったのである。今度はホテルに入ってフロントで聞く。部屋がほぼ満室だという。「禁煙室なら一つ空いておりますが、よろしいですか?」…当時は今ほど禁煙ブームではなかったが、喫煙室から埋まっていくというのも妙な話である。しかし、仕方ないので彼はその部屋でいいと答えた。

そこは、あの日泊まったのと同じ部屋だった。(^^)…なぜだ。呼ばれているのか!? その夜、この間と全く同じ深夜の1時半頃に、誰もいる筈のないドアの向こうからノックの音が聞こえた。彼はこの間と同じように、テレビをガンガン鳴らしてベッドに潜り込んだ。

…そして。同じ場所に3度目の出張を命じられた時、彼はホテルに予約の電話を入れた。「喫煙室でお願いします」…今度はやっと別の部屋。こうして、やまくんはようやく「恐怖の禁煙室」から逃れる事が出来たのだった。余談だが、山道でタヌキやキツネに化かされた時は、タバコを一服すると災難を逃れられるという。どうやら怪異はタバコの煙が嫌いらしい。だから私が「ねっ、タバコにもそういう良い効能があるでしょー」と持ち掛けても…彼は「いや、それとこれとは別だ」と、いまだタバコをかばうつもりは無さそうなのだが。

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