オカルトな母の話。
実は… 私の母親はオカルトマニアだった。(- -;)
物心付いた頃から、とにかくテレビで怪奇物さえやっていたら、「あっオバケのオバケの♪」と必ずチャンネルを合わせて見ていた。当時は「文化住宅」という名の狭い長屋に住んでたから、当然部屋は1つしかない。親がそれを見ちゃうと子供は逃げ場がない。(- -;)私はそんなに好きじゃない…というか恐くて嫌いだったんだが、母は絶対容赦してくれなかった。見終わって家族全員布団に入っても、子供の私だけさっきのテレビが恐くて眠れない。…一度「恐いよー」と起き出して母の所に行ったら、一言「うるさい!」と怒ってまた寝てしまった。(- -)母は読書も好きだったが、そんな訳で読んでる本も…そーいう系ばかり。ちょっとソフトでもミステリー。時代が下って私が中学の頃には、棚には横溝正史の角川文庫がほぼ全巻ずらーっと並んでいた。表紙の絵が杉本一文という人で…これが美しいんだがすごく恐いの。(^^;)一度どこかで見ていただきたい。もうかなりトラウマだった。
で。そんな母だから、子供の私によく「人魂を見た話」を聞かせた。夜の田舎道を歩いていると、こーんな(手でボール大を作る)大きさの青白い光の玉がスーッと飛んで行って…ある家の屋根の上にスポンと入った。そしたら翌日、その家の子供が死んで…どうのこうの。こういうエピソード自体はよくあるらしいが、母が語るとこの話の最後に「キレイだったー♪」という感想が入るのである。(- -;)…青白い人魂はキレイらしい。でも、「わーキレイで良かったねー♪」だの「私も見たいわー♪」…なんて相づち入れられますか。どうリアクションしていいか分からず、「そ」と言って固まるしかない私だった。
今は母も年を取ったが、読書欲は健在である。祖母の葬式の際にうん十年ぶりに帰省した時、今は図書館で借りまくって海外物のミステリーばかり読んでいると言った。「私の読む本は、最低5人以上人が死ぬ」とか平然とのたまわった。(- -)…でも、そんな強靭な母がガンと診断され、手術する事になったのだ。あわててもう一度帰省し、病院で他の親類たちと手術まで付き添った。元気そうだったが、不安を紛らわすためかいつも以上によく喋る。(普段だってよく喋るが)…葬式なんていらないとか、墓になんて入りたくない、みたいな豪胆な事を言った後、彼女はとんでもねー発言をしたのだ。
「だいたい、私はオバケなんて信じてないから。人間は死んだら終わりだから」
…なにー! お岩さんやら心霊現象やら恐い番組を見まくり、私におとぎ話の代わりに人魂話をしまくったあんたが…なにーー! あまりの宗旨替えに思わず突っ込んだら、「あ、そーだったっけ。」とシレッと目線を逸らすのだった。この人って死なないんじゃないかなーと思ったら…
ほんとに手術は大成功し、初期だったのかガンもキレイに取れたそうだ。母は今も元気である。…この際だから、オバケを蹴倒してでも末永く元気でいて欲しい。(- -)
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